昨日石留めをお願いしていた職人さんの前で泣いてしまいました。
まぁ今から考えると泣くようなことではないのですが、あまりにも
ショックが大きかったんです。
やっとの思いで手に入れた1920年代に作られたクッションカットの
6.15キャラットのMAUBOUSSIN(モーブッサン)のリング。
購入時に石の大きさを測る為にリングの枠から外していました。
お客様に台座から外した裸石とリング枠を先週見て頂き、再度のアポイント
に向かう前の工房で石留めの終わった物をルーペでチェック。
美しい書体で手彫りされた(MAUBOUSSINの文字がどこにもなく、あれほど言って
おいたのに消された字の上に6.15の刻印。
リングは文句のつけようのない美しい新品みたいにピカピカの大きなダイヤの綺麗な
リングですが・・・・・・MAUBOUSSINのリングじゃなくってしまいました。
文句を言ってもお金が返ってくる訳でもなく、美しい書体が浮き上がってくるわけでも
ありません。説明しながら思わず涙がポロリと出てしまいましたが、石止め代金を
払ってアポイントに向かいました。
作家ものや著名なブランドのジュエリーの価格はサインが入っているかいないで
その価格がびっくりするほど違ってきます。
ティフアニーなどのブランドではストックナンバーやアーカイブに会社が作ったと
証明できる証拠があればサイズ直しなどで消えてしまったTIFFANYなどのブランド刻印を
もう一度打ってくれるサービスもあります。
思わず涙がポロリの午前中でしたが、その後に行った大きなジュエリーのショーで思わぬ
掘り出し物を買いましたので経済的にはプラスマイナスゼロの一日でした。
でも80年以上も作られてから残っていたMAUBOUSSINの手彫りの字をグラインダーでグリグリ
削られて6.15の刻印を打たれてしまったリングちゃんが本当に不憫でたまりません。

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