5月12日にスイスのジュネーブで開催されたサザビースの
”Magnificent Jewels and Noble Jewels”
売り上げ総額は今までに開催された世界中のどのジュエリー
オークションよりも高額 の160億9000万円。
出品された商品の94パーセントが落札される好結果と
なりました。
その中でも高額で落札され世界中のジュエリー愛好家の話題を
さらっているのはこの写真のルビーのリングとピンクの
ダイヤモンドリングの2点です。
サンライズルビーと名付けられたこのビルマ産ルビー の
リングは カルティエ製で25.59ct.
サザビースの発表によると落札金額 は3030万ドル
日本円で約36億と驚くほどの高額で落札された
そうです。
1、ダイヤモンド以外の宝石でオークションで過去に
売買されたジュエリーで一番高額。
2、オークションで売買された全てのカルティエのジュエリー
の中で一番高額。
3、今までにオークションで売買されたルビーの中で最も
高額で1カラットあたりの金額が日本円にして1億4千
万円と最も高額なルビー。
という3つのオークションレコードを記録したそうです。
ピンク色が美しいこのダイヤモンドはかつてナポレオン
1世の姪マチルド・ボナパルトが所有していたという来歴
のある石です。
このリングの落札金額は約1695万ドル
(日本円で約20億円)
出品したのはアメリカで90年代にダイヤモンドファンドを
始めたカリスマディラー Brett Stettner率いるStettner
Investment Diamonds.
3年前に約1576万ドルで落札した9ctのダイヤモンドを
リカットしてクラリティーをSi1 からVS2にあげ
セッティングもモダンなD カラーのVSの石をあしらい
再出品です。
高額なダイヤモンドを3年間保有し、リカットモデル
チェンジというリスクを取って7.5%の価格の上昇は
微妙なところですが、これにはもう一つの理由があり
スイスのフランに対してアメリカドルが上昇し、利益が
しぼんでしまった事も理由のひとつでしょう。
私が仕事を始めた頃にはスイスの大きなオークションに
行っても東洋人は私だけでちょっとジロジロと見られて
居心地の悪い思いをする事も多かったものですが
今では大きなオークションのメジャーバイヤーに
中国系の資金が入ったファンドや中国人個人コレクター
も多く見られます。
世界の経済や政情があまり安定していない事から
ドル、中国元という通貨に頼らず、資産の一部を
宝石で持つ人が増えて来た事や希少性のある
カラーストーンの値上がりを実感します。


8