数あるデフラグツールの中で,最も多く質問をいただくのがDiskTrixの
UltimateDefragです。
ここでも少し紹介しましたし,使い方については
ITProの記事を紹介しましたが,それでもまだ使い方の質問をいただきます。
ユニークなツールであることは確かで,すごくパフォーマンスが上がりそうな期待感を抱かせてくれますので「使ってみたい」という気持ちはよくわかります。
しかし一方で,使い方がわかりにくい,設定がいろいろあるが何がどうなってんの?といいたくなるような難解なところがあるのも事実です。
そこで,あたらめて今回,この
UltimateDefrag(Free v1.72)の設定と使い方について紹介したいと思います。
ダウンロードやインストールの手順については省略します。
ITProの記事他を参照してください。
● まず最初に確認しておくこと(更新日時フラグの設定)
コマンドプロンプト([スタートメニュー]

[アクセサリ]の中にあります)を起動して,次のコマンドを入れてください。
fsutil behavior query disablelastaccess (Enter)
disablelastaccess = 0 と表示されればOK。
もし違った場合は
fsutil behavior set disablelastaccess 0 (Enter)
と入力してください。
● UltimateDefragの使いどころ
デフラグという作業は,基本的に時間を要します。パソコンのメンテが好きとか,少しでもパフォーマンスを上げたいとかいう場合を除けば,まず普通のユーザーはそれほど頻繁に行うものではないでしょう。
UltimateDefragは,中でも作業時間を長く要する部類に入るツールのひとつですから,ここではすべての使用方法を網羅するのではなく,代表的な使い方のみを紹介します。
UltimateDefragにも短時間で済ませる方法や,スケジューラーで自動起動させるやり方,スクリーンセーバーの動作中のみ作業させるオプションもありますが,それらは個人的にはあまりお勧めしません。デイリーに軽くデフラグを実施するのなら他にもっと優れたツールもありますし,UltimateDefragの良さはやはりキッチリとした再配置にあります。パソコンの使い方にもよりますが,断片化が進んできたらこのUltimateDefragを使うのが良いと思います。
● 基本設定
最初に起動したら「デフォルトのデフラグツールにするか?」というダイアログが出ますが,余程のコダワリがなければ
Noを選択してください。
まずやることは,基本的な設定です。
ここでの設定は,用意されているいくつかのデフラグ方法の中でOptionsに効いてきます。具体的には,Respect high performanceとRespect archiveが,ここの基本設定に従うことになります。
上段のメニューのToolsからOptionsを選びます。

この画面がキモになります。
これから先は,DiskTrixのオススメの設定に従います。
・オフィス用デスクトップPCの場合
High Performance:
CustomをON
Select Filesをクリックすると窓が開きます。

右側のリストで,以下のフォルダにチェックを入れて
<< をクリックすると,左側にリストされます。
・Windows
・Documents and Settings
・Program Files
・あなたがよく使うデータのあるフォルダ
ドラッグして

の順番に並べ替えます。
Archive:
AutomaticをON
% Least Frequently Used Dataの数値を75%
Include these types of filesにチェックを入れて
Addをクリックして,.ZIPを追加します。
Use fast archivalをON
・ホーム用デスクトップPCの場合
High Performance:
CustomをON
Select Filesをクリック。
以下のフォルダを選んで,この順番に並べ替えます。
(

のオフィス用の説明を参考に…)
・Windows
・Documents and Settings
・ゲームをする場合は,そのフォルダ
・Program Files
・あなたがよく使うデータのあるフォルダ
Archive:
AutomaticをON
% Least Frequently Used Dataの数値を75%
Include these types of filesにチェックを入れて
.ZIPを追加。
その他の圧縮ファイルのタイプを追加。
(例えば,写真とかビデオデータ等)
Use fast archivalをON
・ゲーム用PCの場合
Archive:
CustomをON (Automaticではありません!)
Select Filesをクリック
・ゲームに関連
しないフォルダをすべて選択。
※ Windowsをこのリストに加えないこと
Use fast archivalをON
一番下にあるRespect Layout.iniにチェックを入れておいても可ですが,マニュアルによれば“完璧な高速化”の場合はOFFにするよう勧めています。
● デフラグ方法別の設定
基本設定が終わったら,方法別に設定をします。
起動画面に戻って,左側中央に6つ並んでいる○のチェックボックスからデフラグ方法を選択します。
まず,上から2番目のConsolidatedを選択してください。
右のOptionsをクリックします。
・Respect high performance
ONにします。(基本設定が反映されます)
・Respect archive
ONにします。(基本設定が反映されます)
・Put directories close to MFT
お好みでいいです。
次に,一番下のAutoを選んでください。
すぐ右のOptionsをクリックします。
・Put directories close to MFT
お好みでいいです。
・Respect Layout.ini
“完璧な高速化”の場合は外しておきましょう。
・スライドバー
デフォルトではOptimumになっていると思います。
反対側がFastなので,
左に寄せるほど速くなると勘違いしそうです。
UltimateDefragの基本的な考え方は,よく使うファイルのみを外周にまとめて配置するという点にあります。例えば,Windows XPがOS関連ファイルの中で頻繁に使うのはWindowsフォルダ内の15〜20%くらいに過ぎないそうですが,とにかく何でもかんでも外周に持っていけばいいというわけではありませんし,それではUltimateDefragの特徴を活かさないことになります。
つまりこのスライドバーを左に持っていくことは,多くのファイルを“よく使うファイル”として外側トラックに配置することになりますから,これでは他のデフラグソフトと似たようなデフラグ結果を招くことになってしまうわけです。
ですからここは,
Least Frequently Used Data To Inner Tracksを75〜80%に。
以上で準備は終わりました。
他の方法については設定は要りません。
簡単に説明しておきますと…
・Folder/File name:
名前順に並べ替えます。場合によっては速くなるらしいです。
(dllなどはプログラムからアルファベット順にコールされる)
・Recency:
ファイルサーバーのような,データファイルが多い場合に適。
・Volatility:
Recencyのバリエーションで,フォルダの更新日時でソートし
その中のファイルはアルファベット順で並べられます。
どれもあまり使わないと思います。
あとはStartをクリックして,デフラグ開始です。
● デフラグの実行
今まで設定してきたことからわかるでしょうが,方法は2つです。
Consolidated か Auto
どちらでも構いませんが,AUTOの場合はUltimateDefragにほとんどお任せになりますので,例えばある特定のソフトを速くしたい等細かくやりたいならConsolidatedを使います。
● 以下は補足です。
大サイズのファイルを入れた後などで,そのファイル単体をとりあえずデフラグしたい場合は,次のようにします。
起動画面左上のドライブのリストからドライブを選んでAnalyzeを実行。Analyzedと表示されたら,その上で右クリックすることでメニューがポップアップします。
・Analyze:すぐ下のAnalyzeボタンと同じ動作
・Defragment:デフラグの実行(必要無し)
・Volume Info:Analyzeを実行後,これを選択すると…
別の窓が開きます。その中で,Fragmented Filesのタブをクリックすると,断片化しているファイルのリストが表示されます。
そこで更にファイル名の上で右クリックし,Defrag this file nowを選ぶことで,ファイル単体のデフラグができます。
また,短時間に簡単にデフラグをやりたい場合は,Fragmented files onlyを使いましょう。この方法は単に断片化したファイルをデフラグするだけですから,余程断片化が酷くない限り短時間で済ませることができます。
以上述べてきた設定方法は,マニュアルを基に記述したものです。より詳しい内容は,
UltimateDefrag解説に書いてますので,是非
そちらもご参照ください。

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