そろそろ年賀状を準備しなければと思い、既に描いてあった絵から虎の絵
を選んで賀状にするつもりでした。拙作虎絵では水墨画「白虎」やアクリル
絵の「騎虎」などがあり、他にも虎猫の絵などもありますので、何とかなると
楽観的に構えていたのです。ところが、ある事を思い出し慌ててしまった。
それは、今年の正月にいただいた動物学者で作家の實吉達郎先生からの
年賀状の中に、元旦に年始の客や家族一同にあの「世界地図のマダラの
ある牛」のお年賀状を見せましたところ、そのアイディアのよさに皆驚嘆し
ていました。と、拙作賀状について書かれてあったのを思い出したからです。
大変光栄な事に、拙作牛絵の賀状を楽しんでご覧になっている人もいたの
だから、大袈裟かもしれませんがプロとしての年賀状を送らなければと反
省したのです。来年も色々な寅の絵で溢れると思いますが、その中でも私
らしい寅を表現しなければと、年賀状用の絵を新たに描きおろしています。
虎は、古代中国思想に由来する風水四神の一つにもなり、それは、天の星
宿を動物で表し、東の青竜、西の白虎、南の朱雀、北の玄武と配され、その
四神の方角に相応した地上で吉相の地勢として、東に流水、西に大道、南
に低地、北に高地の四地相応があります。風水の虎の発想から絵のモチー
フが頭の中に次々と浮かんできました。秘蔵の金品を意味する「虎の児」か
ら金運をイメージし、虎穴に入らずんば虎児を得ず、のたとえで手に入れに
くい大金の文字が虎の額の模様になった。しかし、危険を冒さなければ得ら
れない望みとなると、一か八かの運頼みになるので、その秘訣を記してある
「虎の巻」も手に入れなければならず、その機会を虎視眈眈とねらう、その
ような虎の連想で金運招来の祈願をかけながら年賀状を描いているのです。
制作途中の今は普通の猛虎ですが、そのような想念にオマジナイを込めて
加筆し、イメージを変えサプライズな年賀状を元旦に掲載したいと思います。
ご参考に實吉達郎先生の公式サイト
http://www.page.sannet.ne.jp/sacjr/

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