このところの桜吹雪が舞う爛漫の風情にめまいがしそうだ。様々な花が一斉に咲き乱れだし園芸好きな妻は小さな庭の草花の手入れに余念がない。春は好きだが花粉症なので毎年ちょっと憂鬱になる。しかし、今年はなぜか症状は軽くほとんど困らなかった。加齢ごとに花粉に対しての免疫力が改善されているのか、それともアレルギー過敏症が鈍感になってきているのかと思った。
フキノトウやタケノコなども食卓にでるようになり、フキノトウは天ぷらなどでいただくがアクが強くて食後に決まって私は腹痛になり苦手だ。タケノコは独特の歯ごたえの食感や、姫皮や筍衣(すんい)といわれる先端部分が美味しい。
ありがたい事に知人の好意でタケノコ掘りをさせていただいた。地上に穂先が出ているのを見つけるのは簡単だが、隠れて地上にでる寸前の柔らかいタケノコを見つけるのは竹林に積もった枯れ笹の上を普通に歩くだけでは難しい。注意深くわずかに盛り上がったあたりを足などで探ると硬い手ごたえがあり、手で腐葉土を掻き分けると隆起した根や小さな穂先に突き当たり、一つ見つけることができると周囲を同じようにして続けて見つけることができた。
時間が経つとアクやエグミが増すので掘り出したばかりの新鮮なタケノコを妻はさっそくご近所にお配りして、すぐに表皮のついたままの筍を流水で洗い鍋に入れてアク抜きのコメヌカも加えて茹で、夕食に家族と共にタケノコご飯としていただいた。食べ物の事など書ける平和を噛み締めながら旬の味覚を味わうと穏やかな春の味がした。

2014.4.10,Copyright(C)2014 AoiFujimoto. All Rights Reserved.

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