ガキッ!食事中に何か硬い物を噛んでしまった。口から取り出してみると歯で、舌で歯を順に探ると奥歯の1個が割れ大きく欠けていた。歳のせいか歯がもろくなったのだろうと苦笑いしていると、横にいた妻はかかりつけの歯科医院にもう電話している。今すぐにでも診察が可能とのことで、治療椅子に押さえ込まれて歯を削られる不快音を思い出し身震いした。まだ今は痛くは無いと言い逃れをつぶやくと妻に問答無用の表情で睨まれてしまった。
普段は病院とは無縁だが、なぜか夏の暑さで歯が炎症し痛みだすこともあるので歯槽膿漏予防のために歯科へ通うのだけは仕方がないと観念した。治療は1週間ごとに毎回15分くらいで、麻酔注射をされて歯冠を削り歯根の歯髄をゴリゴリと穴を掘るように器具でつつき回され穴の底でピリッとしたが何とか耐えて神経を抜かれた。以前の麻酔は口全体が痺れたようになり唇をつねっても無感覚であったが、今回の麻酔は進歩したのか痺れは無く普通の感覚で根管治療中も痛くはなかった。念のため痛くなった場合に服用するロキソニンも処方された。
治療期間中は1個の奥歯が大きく削られたために噛み合わせがうまくいかず、食事に時間がかかり不便だった。1ヵ月後ついに銀歯を接着し普通に咀嚼できるようになったが、歯茎の土台が頑丈ではないので硬い物はその奥歯で噛まないようにと、そのインプラント専門医から説明された。前歯はセラミックだが奥歯は金属だらけになり自分本来の歯は心細い状態になってしまった。あたりまえのことだが食後に歯間ブラシで掃除して歯ブラシで磨く習慣の大事さを痛感した。今日も朝を迎えられ歯を磨きながら、今あるちょうどいい日常をありがたいと感謝している。
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