2021/8/25
きのうは
夏休み明けの初出勤だったが、
玄関にある“関所”の事務室の
親しい女性事務長が駆け寄ってきて、
何事かと思ったら
朝刊のコピーを見せられ、
唖然としてしまった。
朝の職員打ち合わせで、
配られたというプリントだった。
なんと地方紙の大見出しに
「カウンセラー 免職
わいせつ行為 福大教授」
とあるではないか。
児童買春や青少年健全育成条例違反は、
相手との同意があった場合の犯罪だが、
今回のような被害届けでは、
強制わいせつ罪で
逮捕・送検事件となる。
実名報道されているので、
いずれ、追報道があるだろう。
なんと…
彼は福高の同級生であり、
SC研修会でも同班になって
協議なぞをしたことがある。
福祉畑から
福大心理教室にキャリア・アップして、
学部生や院生たちに
指導的立場にありながらの
この大醜聞事件である。
教育委員会の事情聴取には
「他のカウンセラーの信用を失わせて、
申し訳ない…」
と弁明しているという。
ほんとに、
破廉恥事件のおかげで
真面目なカウンセラーたちは
大迷惑である。
「信用失墜行為」なので、
公認心理師法により
「資格はく奪」は免れまい。
常識的には、
学内の倫理委員会でも
懲戒免職になって
然るべき事件である。
官僚の汚職事件なのでは、
依願退職にさせて退職金は受け取る、
という仲間内の穏便な処置があるが
納税者としては納得できないもので、
今回は全国のSCと心理臨床学会と
大学の名誉を著しく棄損したので
厳重な処分が行われることを
母校には期待する。
このような
あってはならない不祥事は、
個人の資質にも拠るが、
心理師訓練の過程で
「教育分析」を必須としていない
日本の心理臨床界の
「ぬるさ/あまさ」が
あることは否めない。
その事は、
公認心理師『現職者テキスト』にも
指摘されており、
将来において改善が望まれるとある。
お弟子さんたちには、
常々、例え話で教えているが、
カウンセラー自身が「自分の心」に
メスを入れたことがなくて、
そのエロスやタナトス、
シャドウや諸元型に無自覚なのは、
「自分の頭のハエを追っ払えないのに、
他人のを追っ払っおうとする」
ようなものなのである。
教育分析は
医療従事者にとっての
「解剖」実習でもあり、
しかも、自分が痛い思いをして、
自らの「悪」や「原始的欲動」と
対峙するという辛い作業なのである。
⁂
クライエントと恋愛関係や
性的関係に陥るというのは、
専門的には
「Counter-transference」
(逆転移)と言って、
教科書の初歩の初歩である。
それが、国立大学の心理学科教授で、
15年も学校カウンセラー職を兼務し、
公認心理師養成の大学院教授も
務めていたのだから、
言語道断である。
福大心理学科の教授陣が
誰も「教育分析」を
受けた経験がないというのを
現役の院生から聞いたことがあり、
危ういなぁ…と、
思っていた矢先の事件である。
⁂
現職スクールカウンセラーは
圧倒的に女性が多く
7:3くらいかもしれないが、
今回の不祥事で
男性SCの世間や行政側の
風当りは強くなるかもしれない。
考えるだに
腹立たしい限りである。
今回の大醜聞・不祥事を
心理臨床学会がどう取り上げるか、
注目される処だが、
学会の『ニュースレター』に
緊急投稿として告発しようか
とも考えもしたが…。
それでも、ふと、
「打落水狗」
(水に落ちた犬を打つ)ことによって、
当事者が自殺でもしたら、
後味がワルイので、
思案のしどころである。
それとも、メリメの
『マテオ・ファルコーネ』のように、
人の道に悖(もと)る行為は
我が子といえども万死に値する、
とするか…。
すでに実名報道され、
刑事事件として処理されるだろうから、
「社会的制裁」に任せておけ、
とするだけでは何とも
この腹立たしい気分は
収まりがつかない。
宗教的な解釈も脳裏をよぎる。
イエス
「彼、自ら為す事を知らざればこそなり」
親鸞
「悪人こそ救われるべき」
金光教祖
「その難儀性を祈ってやれ」
・・・とはいうものの、
凡夫の自分には
今は憤りが勝って
許しがたい気持ちが強すぎる。
フントニ、モウッ!!!
バカ〜ッ ! ε=ε=ε=ヾ(*。>◇<)ノ
⁂
「わいせつ教員」同様に、
教育・臨床の世界では
「社会的抹殺」は必至だが、
自縄自縛・自業自得で
その点にはいささかの同情もなく、
「万死に値する」とさえ
思っている。
***
今回の事件で
「STAP事件」を彷彿させられ、
ネットからその詳細を
ダウンロードしてみた。
小保方 春子という
「思い込み」の強いナルシシストが、
スーパー・サイエンティストと
国内外で認知されていた
笹井教授を翻弄し
自殺にまで追い込まれた
一連の事件である。
あの騒動にも、
エロス(生への欲動)や
タナトス(死への欲動)、
アニマ(内的異性性)
などに無自覚なゆえの
男性側の「身の破滅」
という深層心理が見え隠れする。
今回のSC事件と合わせて、
そのあたりに深くメスを入れ、
深層心理的な分析をしてみようと
思っている。

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