2007/5/6

冗長なチアノーゼの感触の重度のセレナーデ  













心臓が 壊死したようなか細い脈拍の紡ぎ
緩やかな哀楽に取り囲まれて五里霧中のステイタス、じっとした指先から落度のように汗が零れる
欲しくもないのに取り過ぎた食事、あと数十分で多分吐瀉物になるから
忌々しい内奥でのやりくりはそれで終幕だ
礼儀正しい芋虫みたいな秒針の孤独な行進、ぜんまいを巻く事が親密さのひとつだなんて―そんな風に語れるアンティークをひとつでも持ってれば良かった
アトムの子供らが作った時限爆弾からは稼動音なんて聞こえない、何もかも無駄に難解になって
気づいたときには四散しているというわけさ、拾ってくれ、拾ってくれ
野良猫が食い散らかした生ゴミみたいな俺の脳漿の有様
まだ書き終えてないポエジーが残っているかもしれないから!
…心臓が壊死したようなか細い脈拍の紡ぎ、清潔なシーツに落ちていくポンコツのメトロノーム、理由の無い人生に
血眼になって注意書きを書いている俺の事さ
牙だと信じていたがどんな観念にもそれは食い込みはしなかった、俺だけじゃないはずさ
みんなきっとうすうす感じているはずだぜ
みんな枯れた老木みたいなものを追いかけているのかもしれない、祀るあてのない貢物を持って
なにかを神格化したくて仕方がないんだ、人生にログインするパスワードみたいなものを―自分仕様のプログラムを適当にまとめてくれるそんななにかを―電子の時代だからってちょっと躍起になりすぎだよな
心臓が壊死したようなか細い脈拍の紡ぎ!何だか腐臭まで漂ってきたような気がするぜ
本気になれない事への言い訳かもしれない、なにか一歩後退りしたところで時を刻んでいる自分の―免罪符みたいなものを得たがってる詩篇も多分いくつか…
古い紙切れは本棚や…もう着ることのない洋服のポケットの中なんかで変色している
なあ、パピルスにも黄疸ってあるんだな
そこに刻まれたものが一緒に死ぬのかどうかまでは俺には判らないけれど
語りたがりたちは死んだ事にするのが好きだね
なにか新しいテーマを持ち出す事がやつらにとっては革命なのだろう、フィギィアの出来を語るようなもんだ
本当に新しい事が知りたきゃ鎮めておくより他に手はない、控えめなゴーストの足音を耳にしようと
決意したような心境がどこかになければ
心臓が壊死したようなか細い―いま表で誰かが叫び声を上げた、もしかしたらでもそれは俺の唇から洩れたものかもしれない
叫びにシンクロ出来ないやつに何を綴る資格があるよ?少なくとも俺はそう考えているぜ…個人的って言葉は便利だ
パーソナルなものを正当化するにはその言葉が一番だ、他人の領域にはみんな遠慮するものだ…真人間は
ここまで綴る間に秒針が何回転したか判ってるか?その間に死んだ細胞の断末魔が聞こえたか?その間に生まれた細胞の産声は?真理は必ず手の届かないところにある…アメーバにならそれが見えるのかもしれない
でも、アメーバにはそれが理解出来ない
シンプル・イズ・ベストにもセオリーがあるってこったな
こう…イメージが広がる事を―加速も減速もなく走れるホイールみたいな気の利いたものを―そういう願望は決して言葉にする事が出来ない、だから安心して長く綴ってみせるのさ、そうしてるうちに判ってくるんだ
キング・クリムゾンのやってた事は決して無駄な事じゃなかったんだなって
その気になれば世界中のカルチャーを知った気になれるこんな時代にパイオニアだけをありがたがるなんてお気楽過ぎないか―?
混沌としよう、混沌としようよ、兎にも角にも言葉を正座させたがる連中よ、混沌として、渾然一体となって、ぶちまけて広がるさまを残せ
内情吐露とは全色混ぜ込んだペンキで絵を描く事だ、おお、なんてことだ、近頃は悪夢ばっかりだというのに―
憂鬱な気分を味わった事がない、飢餓で死んでゆく子供にインタビューがしたい、日本にだって探せばそれは居る
彼らがアメーバになる前に、彼らがアメーバになる前にさ…テレビ・ショウのためのアメリカン・プロレスみたいなマイクを持って
きっと食べ物の方が嬉しいだろうやつらの口に近づけるんだ「いま、どんな気分ですか?」
彼らが最後に見る風景は俺だろうか、それとももっと観念的な曼荼羅のような絵柄なのか
ふっと死ぬさまをこの眼の中に残して欲しい―駅の構内で忘れられた伝言版に書き込まれたメッセージみたいに―俺はそれを誰にも伝えたりなんかしない、無数の言葉に変わるように変換を繰り返す、時々は数字にも
この世で一番最初に壊れるものはきっとヒューマニズムだ、それはヒューマンが証明して来た事じゃないか
心臓が壊死したようなか細い脈拍の紡ぎ―秒針はここまでで何回転した?当たり前なので気にならないスペシャルなこと、少し前に食ったもの達が食道を駆け上がってくる―やつらは命として主張し過ぎるのかもしれない、でも、食われないための権利なんて概念が彼らの中にある事はもちろんやぶさかではない―出来れば俺の消化器官に変なダメージを残しては欲しくないが―俺が噛み砕いたもんにそんな注文をつけるのは虫がよ過ぎるってもんかな
だけど、自分のことしか考えられないぜ、自分の事しか考えられない―それを否定出来る人間がひとりでもいるんならここに連れてきてくれ、俺はそいつに喰らいついて内臓を引きちぎる、生きるための権利と言うのは元来そういうものだろう?
何もかも歪んでしまった、何もかも歪んでしまった、何もかも歪んでしまって―目標を失った弾ばかりが放たれるから関係のないやつらばかりが死んでゆく、そいつらに報いる術はない、どうしたってない―だって、すでに四散してしまっているじゃないか、野良猫が漁った生ゴミよりもずっと酷い尺度で…それについて細かい数字なんか算出しようなんて俺は思わないけどさ
嘔吐っていうものは概念とか、現象とかいうものよりずっと余地がない、掻きこんだものが出てゆくだけ、節度の壊れた巻戻し、統制の壊れたハードディスク・レコード、もっと酷い過去へのタイム・スリップ、冷汗が色のない血液のように吹き出す、おお、俺血まみれだ、血まみれで便器に顔を埋めている、糞に喰らいついているように見えるぜ、糞に喰らいついているように見える、生き抜くつもりなんだろう、お前!そんな陰惨な景色を最も近いところで見ても―お前の誇りだっていびつな配列で巻戻されるのさ
壊れた人間が壊れた人生を、壊れた人間が壊れた人生を、壊れたままで構築しようとしている、それははたして完成したりするものなのか―?一生のうちでは目にする事の出来ない建築物、煉瓦を積み上げる、煉瓦を積み上げる、何から身を守ろうとしている、煉瓦を積み上げる、肺活量がズバ抜けた狼なんかやって来ない、おい、何から身を守ろうとしている…怯えているのか、たくさんの言葉を綴らなければ、伝わらない気がして怖ろしいのか?それは証明か、それは証明なのか…お前はなにかを証明しようとしてるのか、電子の時代に、アナログな手段を用いて―もう価値なんか無い、もう価値なんかないかもしれない、10進法か16進法で無ければそれはもう伝わらないのかもしれない、マシン言語なんて一生理解するつもりなんてない、アルゴリズムなんてバイオリズムより重要事項になることなんか絶対にない








冷汗がシャツに染み込む
俺は生身で死ぬまで生きようとしている















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