2006/3/18

Sunshine Note  






連続するまどろみのヴェールの向こうに、そのあと予想されることは全て追いやった
アストラッド・ジルベルトのボサ・ノヴァ、ウィスパーボイスに必要以上に掻き立てられるのは
きっとボリュームを絞りすぎているせいさ
珈琲を飲もうよ、豆を挽いて
葬送曲のようなリズムのサイフォンで落として欲しい…春の雨は誰かのことを思い出す
並木道にはぽつぽつと色がつき始めて…チェリーがもうじき五月蝿く儚さを主張するだろう
君、準備が全て終わったら窓辺のソファーにおいでよ、もうすぐそこに陽があたるから
絵画のような情景で人生に少し嘘をつこう―咎められることなんて何もない、それは僕らだけの表現なのだから
そうだな、そんなに固執するような題材ではないけれど、例えば、ブルースは嘘かい、ゴスペルはどうだい
現状なんて結局のところバスの停留所とそんなに変わりは無いものさ―目的の表示さえ見逃さなければ
時間はかかってもたいがいのことは上手くいくものだ
午前に日の当たる部屋では哲学はあまり頓挫することは無いね
いい香りがしてきたようだ、僕らは嗅覚から目を覚ます
カレッジに向かう奴らが自転車のベルを鳴らす、野太い声、黄色い声―それらはまるでちょっとした希望のパレードのようだ
映画みたいな気分なら罪なんか無いさ
向かいの雑貨屋の馬鹿でかい時計の針が十時を回ったら、少しましなシャツに着替えて表通りに出よう―予約していた小説がそろそろ届くころなんだ
なに、ちょっとしたミステリー…本当はサムスン・シリーズの新刊が出ないかな、なんて
ずいぶん待っているんだけれど
ねえ、このカップどうしたの―ずいぶん素敵な形じゃないか―ふうん、フリーマーケットもあながち捨てたものではないねぇ
豆が古くなってきたね、ついでに新しい豆も買おうよ
この前久々に入ったあれを試してみようか

そうして僕らは珈琲を啜った、君はおしとやかに、僕は無作法に


まるでいつまでも続く穏やかな朝のように





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