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歩くことひとつにしたって語り尽くせるようなものではない  










廃道の縁石の上に腰かけて週末のブルース、三連符のリズムで歩道を啄む鳩ども、フライパンの上の季節、なにもかもまるで白昼夢のようさ(夢じゃいけない理由ってなにかある?)寝転がりたいくらい草臥れてるけどこのご時世迂闊にそんな真似は出来ない、日常はどこか緊張している、たいして生きてもいないようなのが死にたくないって目を血走らせてるのさ、理由を持っている人間にゃそんなのお構いなしだぜ…長過ぎた梅雨がようやく開けてみんな手ぶらで歩いてる、もうすぐガキどもが朝から晩まで騒ぎ出すだろう、そうだよ、知らないうちは楽しいのさ、だから、大人になっても知らないふりをしてるやつが多いんだ、俺は知ってる、夢じゃいけない理由なんかない、だからこそ、なにかすごくシリアスなことが必要なんだって―不調に振り回された週末は思いのほか穏やかで、そうさ、力づくで手に入れなきゃいけないことはたくさんある、嘆きは一瞬魅力的に見えるけど…明と暗、善と悪、赤と黒…あっちとこっちでしか話せないやつが多過ぎる、俺は明であり暗、善であり悪、赤であり黒さ、そのすべてを行き来している、そのすべてを含むものの話をしている、限定されれば本物らしく聞こえる、でもそれは簡潔なだけでなんの意味もない(夢物語の一環ってやつさ)、赤色の話をするならすべての赤について話さなくちゃ本当じゃない、でもそんなことなかなか出来ない、だからこうして躍起になって指先を動かしているんじゃないか、リミッター付きのゲームを納得づくでプレイ出来るほど俺はロマンチストじゃない(実際、リアリストって公言してる連中ほどロマンチストだったりするものさ、吐き気がするほどね!)、洗いざらい掬い上げてぶちまけてみなければ分からないぜ、どうしてそんなに結論を急いだりするのさ?そんなことしたって何の得にもならないぜ、もう少し腰を落ち着けてみるべきさ、しっかりと目を開いて、ひとつの現象にいくつもの答えを作ることだ、そんなことの積み重ねが成長ってことなのさ…立ち上がり歩き始める、とにかく家に帰ってシャワーを浴びなければなにも始まらない、あらゆる汚れは真実を覆い隠す、見つけられるものも見つけられなくなってしまう、生活の死体を洗い流さなければ―生活の死体っていうのはイカシてると思わないか?人間と生活っていうのは必ずしもリンクしないんだよ、俺はそう思ってる、もちろん、君もそう思うべきだなんて偉そうに言うつもりもないけどね…どういうわけか、俺は偉そうに喋ってるように思われることが多いんだ、まったくこの世はコンプレックスに満ちてるよ、だからすぐに牙を剥きやがるのさ、唸っておけばなんとかなると思ってる、なんともならない、夢物語の一環でしかない、真実を生きなければならないのさ―真実ってなんだって?それこそが自己満足の世界なんじゃないのかって?そうかもしれないよ、けれどね、それは深度の違いなんだ、思考や人生を徹底的に毎日につぎ込んでみれば、それは無自覚なものよりもずっと確かなものだって理解出来るんだ、正解を先に持ってはいけない、ありがちなミスだけれどそれは愚の骨頂さ、そこにあるもののことが分からなくなる、それが本当はなんなのか知ることが出来なくなる…俺さっき言ったろ、あらゆる汚れは真実を覆い隠すんだ、正解を先に持ってはいけない、結論と言い換えてもいい、結論のために行う観察なんて実際、ほとんど無意味というものさ、道は無数にあれど、すべての道を歩くことは出来ない、一度にひとつの道しか選ぶことは出来ないんだ、道は無数にあるのにだよ…そんな場所で得る悟りなんか、吐いて捨てるような価値しかない、次の道、別の道のことを思いながら、一歩一歩を確かに踏みしめるんだ、そこに在るものだけがすべてじゃない、必ず知らないものがある、無限にある、だからこそこうして躍起になって微先を動かしているんじゃないのか、知っていることだけを偉そうに喋るのなら新聞の投書欄とたいした違いはない、知らないことがまだあるって俺は叫んでいるんだ、すべてを知ることは出来ない、なるべく知りたいのさ、出来得る限り、可能な限り…果てしのないものだからこそ追いかけたくなるんじゃないのか?俺は歩く速度を上げる、少しばかり早く歩いたところで帰り着く時間なんかそんなに変わりはしない、だけど、そう―何回も言わせるなよ、あらゆる汚れは真実を覆い隠す、俺はそいつを洗い流したくてウズウズしてしょうがないのさ―。










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