この地では血圧を測ることは特殊技能である。普通の人は病院に行って技能者に計ってもらえない限り自分の血圧を把握できない。そこで総務が日本から血圧計を買ってきた。みんな驚きだ。ボタンひとつで血圧がいつでも測れる。安全課が毎月一回社員全員の血圧を計ると言い出した。いつまで続くかわからないが、
今日担当者の女の子が私の血圧を測りに来た。工場でトップを争うかわいい子だ。
当然私の血圧は爆発した。
昨日も部下のお母さんが高血圧で倒れて病院に運ばれたという事態があった。
自分が持っている血圧計を本日会社に持ってきて、これを課内のみんなに使っていいよと言ったところ、昭和30年代に初めてカラーテレビを見た我々のような顔つきをして喜んでいる。

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