今寮の部屋にもどってこの2年間をいろいろ思い返していた。すると2年とちょっと前の出来事に思いが飛んで行った。このホームページのリンク集にある「ああ、おもいでごはん」というところを一度訪れていただきたい。四谷のとあるスナックの常連としてお付き合いしていただき、私が吹く尺八をいつも目を細くしてうれしそうに聞いていただいたMさん。私の尺八だけでなく姉のピアノにも興味を示していただいた。元新聞記者で引退後も俳句の世界でそこそこ顔の広い活躍をされていたMさんが、私に取材させてくれとせがまれ、この記事が記録としてこの世にのこされた。
Mさんの娘さんはとある病気でしばらく前にさみしい落命をされていた。その悲しさを隠しつつ、アルコールに身を任せ、ご自分も病気と闘いながら周囲にぬくもりを配っていたのに、12月14日に娘さんを追うように、娘さんと同じ病気で去ってしまった。
もう一度お会いしたかった。「ありがとう」という言葉を十分いえていなかったようで申し訳なくて、つらい。この2年間にあった唯一の後悔である。

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