人魚日記

月末の5日間、高齢者介護施設のリニューアルの仕事で、壁に模様を描きました。

見積りまでは、手すりに沿って真っ直ぐボーダー模様を描く案もありましたが、動きや、空間の広がりを感じられる植物のデザインを提案し、採用していただきました。

単純な繰り返しではなく、アドリブで、レイアウトをするのですが、ステンシルですと、型の組み合わせや、部分使い、反転などで、多彩な表現が出来ますし、ペイントを置くスペースが50センチ四方くらいあればOKなので、場所をとらず、短時間に施工する事が出来ます。
今回の様に、休業の出来ない施設や、営業中の商業空間などでその真価が発揮されます。
また、エンボスの有る壁面でも、淡い色や、ぼかしなどの微妙な色の表現も可能ですし、フリーハンドの時の様な、描き手の癖もでにくいので、数人で施工をしても、均一な感じに仕上がります。

いくつかの植物のデザインと色の中から、植物はジャスミン、パブリックスペースの多い４Fはピンク、居室の多い３Fは黄色、とのご注文でした。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　４F女子浴室





無粋なヘルメット置き場も、明るく感じませんか?





5日間、廊下で施工する私たちに、お年寄りが、「綺麗にしてくださって有難うございます。毎日ご苦労様です。」と声を掛けてくださいました。
本当に喜んでくださっているのが嬉しくて、予定には無かった「青い鳥」をステンシルラボからプレゼント。
これは、お年寄りだけではなく、施設の職員の方々もたいへん喜んでくださいました。エンボスが邪魔をするので、羽の細かい描きこみはあまり出来ませんでしたが、皆さんの「可愛い！」の声で、一安心。

通常、単純にステンシルをするだけでなく、更に筆を加え細部を描き込むことで、クオリティーを上げていますが、今回は、型を使えない狭い箇所や、型では出来ない表現をしたい部分は、フリーハンドで、ステンシルをしたように描いています。