2009/9/28

秋晴れへぴいと口笛吹いている 人魚
秋晴れ・柿・流れ星
今月の兼題です。
揚句は、句会での投句の瞬間まで
「秋晴れにぴいと口笛吹いてみる」
でしたが、「秋晴れ」ならば、もっとカチンとした方が良いかと瞬時に変更し、
「秋晴れやぴいと口笛吹いている」
とした句です。
「や」と切らない方が良いとの先生からのご指摘で、
「秋晴れへ」としました。
「に」よりも「へ」の方が、積極的に、高く晴れた空にむかっている感じがより鮮明になるように思えたからです。
「て、に、を、は」では、いつもギリギリまで迷いますし、その一文字を変えたことで、上下を入れ替えたり、時には、隣に書いていた、他の季語にくっつけてしまう事さえあります。
(そんな句が良いわけが無いけど、たまにすごい句に化けたりもする)
上下の入れ替えといえば、
流星雨タロット占いくり返す 人魚
も、迷いに迷いました。
「くり返すタロット占い流星雨」
書いてみるとこちらも良いように思えるのです。
でも、リズムは良いのですが、意味がなくなるほど占いを繰り返してしまっている感じは、「流星雨」を上5にした方が強調されるかと、揚句になったと言うわけです。
ひとつなら、「あ!流れ星・・・願い事を」となりますが、毎夜流星群がやってきて、
雨あられと流星が降っていると案外ありがたくも感ぜず、でも、眠るのは勿体なくて、意味の無い事を繰り返していたりしますからね?
流星群あなただけもっと知りたい 人魚
「流星群もっと知りたいあなただけ」
投句はこれでした。
口語ですし、内容にちょっと軽薄な雰囲気が漂いますから、きちんと5・7・5に納めた方が良いと思ったからです。
が、「いっそもっと崩した方が面白さが出る」とご指摘を受け、やっぱり素直が一番と、初めに浮かんだフレーズ「あなただけもっと知りたい」にもどしたのです。
だけど、基本はやっぱり、「5・7・5」!
たった十七文字「だから、だけに、だけど」むずかしい!!!
赤泥の壷に陰なし秋晴るる 人魚
この句は、毎日見ている沖縄の赤土の壷を詠んだ句です。
なんでもない日常の景ですが、「陰」「影」で迷い、「なし」「なく」で迷い、[晴れる」「晴るる」でまた迷い、季語を上にするか下にするかもいまだに迷っているのです。
一番明るい秋晴れをめざしましたが、はたして・・・?
柿ひとつ鳥に残せと亡父の声 人魚
この句は、投句し損ないました。
ですから、ここで出しておきます。
「木守り柿」という言葉が有りますが、家では「きまもり」と言って、柿だけではなく、桃でもなんでも、「ひとつは鳥に残しなさい」と、父に言われたものでした。
今でも母は、柿がなったね お父さんが「ひとつ鳥に残しなさい、ルネサンスの思想だよ」といつも言ってたわね と、口癖のように言うのです。
句としては、たいして良いところも無いし、新しくもないのですが、亡父の想い出として、書き留めておきたい句のひとつです。
今句会、流星で素晴らしい句が有りました。
この星も流れてしまうかもしれぬ 結女
そしてもうひとつ。
ミロの絵に耳傾けよ星降る夜 静魚
どちらも私なんぞの拙い鑑賞は無用と思います。
秋の夜長、いかようにもお楽しみください。
あ〜素晴らしい!
かくありたや!

投稿者:ningyomn