わんたさんの
レポート見てたら、どうしても行きたくなっちゃいました。
上野広小路、松坂屋裏の甘味処福助です。
場所は上野の松坂屋の真裏です。となりはヒレカツ発祥の蓬莱屋。
今日も白鬚橋方面に行かなければいけないので、午前中から福助モードだったのです。
でも男1人で入るのもなんだし、末娘が合宿から帰ってきたので、下2人の子供を誘って出かけました。
『用事がすんだら美味しいもん食べさせてあげるから。氷が食べたい?OK、OK。
でもそこで本当に美味しいのは白玉なんだよ〜』
午後から出かけて上野広小路に着いたのは5時半。
松坂屋裏に行くと、
『あっ!細長い白玉の店だ〜!』
『前にママと来たよね』
『ここの白玉、プニプニで好き』
なんて、子供だけで盛り上がってました。
子供も美味しいものなら覚えているものですねぇ。

直ぐ近くにパチンコ屋が出来ていてビックリしましたが、蓬莱屋と福助のレトロな店は健在です。
この店のドアは元は自動だったと思うのですが、今では手動になっています。
ドアに『手動です』と張り紙がしてある。
いかにも自動に見えるドアを手で開けて入ると、左手にお母さんが座った食券売り場があります。ここで食券を買って席に着くのですが、入って右が喫煙席、左が禁煙席です。
この店でタバコを吸う人は少ないので、空いている方に座ります。今日は喫煙席にしましたが、誰もタバコは吸っていません。
喫煙席に座ると顕著なのですが、この店って少し傾いているんですよ。
床もテーブルも店の中央に向かって傾いている。
水を流して掃除する為でしょうか?それとも随分前の御徒町での道路の陥没事故の影響でしょうか?
何故だか分かりませんが、座った直後は不思議な感じにとらわれます。

白玉クリームあんみつと白玉冷やしあずきです。
上野には『みはし』や、少し足を伸ばすと湯島に『みつばち』なんかもあって、甘味処が多い。『岡埜栄泉』の店の奥でも甘いものが食べられる。
それぞれの店が自分の甘味を出して競っていますが、ここ福助の売りは白玉。
台錘形をした細長い白玉はモチモチした食感が堪りません。
店の人は繭玉と呼んでいます。
お正月に柳の枝なんかに紅白の玉をたくさんつけたお目出度いお飾りを飾りますよね。元々は蚕の繭から来た呼び名ですが、そのお目出度い繭玉に意味をかけているそうです。
もちろん、あんみつの寒天だってお勧めです。寒天みたいな物は味と言うよりも食感を楽しむ物ですが、福助の寒天はなかなか美味しいですよ。
そして出色なのは小豆の甘さ。
これ以上控えめになると味気なくなるというギリギリの甘さですが、仄かな塩気によって膨らまされたその味は癖になります。
この店に限ったものではありませんが、甘味処のこういう微妙な甘さ加減と言うのは難しいのでしょうね。小豆の状態に合わせて調節するのでしょうが、職人の技を感じてしまいます。
暑い日に食べる白玉入りの冷やしあずき。
ホッとする美味しさです。
昆布茶なんか出してくれるともっと嬉しいんですが、邪道でしょうか?
帰りに『相変わらず美味しい白玉ですね』とお母さんに声をかけてしまいました。
福助のお母さんはこの言葉を聞くと、途端に相好を崩して話し始めちゃうんです。
『主人が全身の力を込めて作るんですよ。うちでは繭玉って言うんですけどね、出来上がった繭玉が並んだとこなんか、そりゃぁ綺麗なもんです。この繭玉はねぇ・・・・・(以下省略)』
何度聞いたか分からないお母さんの話を、また聞いてしまいました。
でもお母さんの嬉しそうな顔を見るも、またこの店の楽しみなんです。

←ランキングに参加しています

1