またもや遠い所のカレーで恐縮です。
『
リッチなカレー アサノ』のカツカレーを食べた後、車で国立に向かいました。
目指すのは香鈴亭(かれいてい)。
国立駅前から斜めに延びる富士見通り沿いにあるカレー屋さん。
駐車場が少ないの街なので駅の近くの駐車場に車を入れて歩く。立川と国分寺の間に出来た街だから、両方から文字を取って国立と名づけられた比較的新しい街。新しいと言っても西葛西よりは古いし、何より計画的に造られているから街がきれいだ。
有名な並木通りにはお洒落な店が目に付くし、裏通りに入っても何かしら店がある。富士見通りを歩いていても、変わった店がそこかしこにある。
ほとんど窓のない喫茶店。中はよく見えないが、あの喫茶店の店主は豆に凝って自家焙煎し、水まで変えながら珈琲を淹れているに違いない。
オーナーの名前を冠したセレクトショップ。なんか変わった趣味の物が置いてある。外から眺めただけですが、こんな店は西葛西にはないなぁ。

香鈴亭の場所は住所を覚えていないと見落とします。住所は
国立市中2−2−11。富士見通り沿いと言っても実際は交差点をちょこっと横道に入る。そして入口の『香鈴亭』という看板は富士見通りからは見えません。
小さな店ですが、扉を開けるとスパイスの香りが襲ってきます。
チキンカレーを待っている間に、店主がスパイスを焙煎していました。普通はスパイスを配合して合わせてからフライパンやオーブンで熱を加えて香りを引き出すのですが、この店主はスパイスを一種類ごとに網で出来たフライパンのような物で煎ってから石臼で挽いている。石臼で挽く時に物凄い香りが襲ってくるのです。頭がクラクラするぐらい。堪らなく良い香りです。
カレーを作るときのスパイスの焙煎は機械を使っているそうです。それではこのパフォーマンスは何かと言うと、ガラムマサラを作っているんだとか。
カレーを作るときは油に丸のままのホールスパイスの香りを移すところから始まって、その後何種類かのパウダースパイスを使います。そして最後に煮込んでいる間に失った香りを補う目的もあって、ガラムマサラを使います。
今では一般的に知られるようになったガラムマサラ。混合スパイスですが、その配合に決まったものはなく、まさに作る人の好みが現れる。逆に言えばガラムマサラの香りで自分の作りたいカレーを表現できるわけです。
それだけ香りを重視する混合スパイスだから、1種類ごとに焙煎して香りを高め、いちいち石臼で挽いてから混ぜ合わせている。
この辺に店主のカレーへの想いが集約されている気がします。
お目当てのカレーは、鶏のもも肉がゴロゴロと入ったチキンカレーです。
写真の中央部分が白っぽく見えるのは湯気なんです。熱々のチキンカレー。
カレーの色も絵の具を溶かしたような茶色ですが、なんと言っても目立つのがご飯。この黄色いご飯はターメリックライスで、型を使って富士山の形にして盛ったもの。富士見通りに店があるからだそうだ。
この店には他にも富士山に凝っている。出てくるビールはアサヒのプレミアムビール『富士山』。なんとキッチンのレンジフードも富士山型になっている。
カレーはヨーグルトを結構使っていますね。なのでスパイスの薫り高いカレーではあるけれど、ピリッとした辛味が特徴の突き抜けるような味のカレーではない。味としてはチキンブイヨンが効いているのだが、丸い感じがする。
味のベースとなっているチキンブイヨンはかなり濃厚なブイヨンだと思う。これだけのスパイスとヨーグルトを使っているが、これに負けていない。シッカリと鶏の味がする。
鶏肉がパサついていたと言う人もいたが、私の食べたものはシットリ感じられた。
カレーの色からして欧風カレーをイメージする人がいるかもしれませんが、これはインド風カレーです。野菜や果物の甘味で深さを出すような多層構造の旨味をもったタイプのカレーとは違います。どちらかと言うと鶏の旨味をストレートに味わうカレーと言ったほうがいい。
もちろん鶏の味だけが突出している訳ではありませんよ。まろやかにまとめてある。誤解を恐れずに言えば、味自体はあまり印象に残らないぐらいまとまりが良い。
やはり特徴は香りです。清々しいカルダモン、パンチの効いたクローブが印象的。凄いスパイス使いです。これがこの店の真骨頂ですね。

流石に2軒目のカレーを完食するのは女性には無理そうなので、1人は軽そうな野菜カレーを頼みました。
ところが出てきた野菜カレーにはヒヨコ豆を始めとして野菜もたっぷり。この煮崩れかけた豆がかなりお腹に溜まる、ボリューム満点の野菜カレーだった。チキンカレーのほうがよっぽど軽い。さすがに半分も食べきれずにギブアップ。
残りは私が頂きました。この日は合計で2.5人前はカレーを食べてる。
この野菜カレーがまた優しい味のカレーで、チキンカレーとはまた違ったスパイス使いがしてある。味は好きなのだが、ここまで具沢山だと少しくどく感じるかも知れない。私はご飯が美味しく食べられるからカレーが好きなのだが、この野菜カレーはこれだけで美味しく食べられる。ご飯が要らない。
2食目だからと言う訳ではなく、やはり重い感じがします。けれど、ご飯なしで食べられると言うことはもちろん美味しいからなので、人によってはこういうシッカリとした野菜カレーを好む人もいるでしょう。
町田もそうだけど、国立は遠いなぁ。ちょくちょく来る訳には行きませんね。
でも、この店のスパイス使いは1度体験してみるべきものでした。
あぁ、あの網で出来たフライパンみたいな焙煎器と石臼が欲しい・・・・

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