私の家は豆を良く食べるので、いろいろな豆の買出しで定期的に築地に行く。
築地に行くたびに変貌振りに驚かされる。
小奇麗な飲食店が増殖している。そこには長蛇の列。
築地は食のプロが集まる場所。
プロの仕入れ場所だから良いものが安い。
周りにある飲食店も美味しくて安い。
これは事実そのとおりです。
だから一般客も『安くて美味しい食事』を目的に大挙してやってくる。
しかし一般客の『安くて』という感覚が間違っていて、それゆえに大手企業の食い物にされているのも事実でしょう。つまり安いけどつまらないものを食べに行っている。
築地には長く商売をしている飲食店が多い。
鮨文などは150年も続いている。ここまで歴史がなくても3代目となっている店はたくさんある。
このような店は、今のように観光客が押し寄せるようになる前から築地にある。観光客が来る前から生き抜いてきたということは、築地市場に集まるプロの足を頻繁に向けさせてきたということ。
だからまがい物は出てこないし、料理も旨い。そして安いのだが、この安いという意味は『本物を使っているにしては安い』という事で、絶対的な価格が安いのとは違う。本物の鯛を使って鮨を握れば、一皿100円で出せるはずがないのです。
しかしこの3年程で増殖した場外の行列の出来る飲食店の客は、最近築地に集まるようになった観光客です。決してプロ相手の店ではありません。集まってくる観光客を目的に築地に進出してきただけ。築地市場に近いから良い魚が安く仕入れられ、それによってすしも安く提供できているのだろうという推測は、完全に間違いです。仕入れも原産地直送がほとんどでしょうし、それこそ世界中から集めている。その魚を築地に持ってきて、観光客に出してくる。
築地で長い店とこれらの店を同じ俎上に乗せて『どの店が安くて旨い?』と比較することが出来るはずありませんよね。
わざわざ電車に乗って築地に来て、どこでも食べられるようなものを食べるために行列する。出てきたものは代用魚。鯛かと思いきやティラピアだったり、ヒラメの縁側と思ったら体長2メートルのカラスガレイだったりしたら、これはもう不幸です。そんなことはないと信じたいですが、その可能性も否定できない。
それでも『安いんだからいいじゃない。そこそこ旨いし』なんていう方は、わざわざ築地に来なくても良かったのですよ。築地に来て本物を安く食べようという目的から外れてしまっていますもの。
本物は、やはり、そこそこ値が張ります。
似たようなことは地元地域でもいえるのではないでしょうか。
西葛西は住宅地です。別に食のプロが集まるところではありませんが、繁華街でもない場所で、地元の人の足を向けさせていた店はあるはず。長いこと地元の人が通う店には、それなりの理由があると思います。
うなぎのはし本なんかそういう店だと思います。
そういう店を見つけたら、あとはその理由が自分に合うかどうか、確認すれば良い。
ランキングも確認してみてください
もちろん、大ハズレもあるでしょうけどね。

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