11月21日は酉の市でした。
酉の市は11月の酉の日に開催される。年によって11月に酉の日が何回巡ってくるのか変わるので、三の酉まである年もありますが、今年は二の酉まで。しかも今年は12年に1度の酉年の酉の市。来年の福を掻き寄せる為に行って参りました。


いつも行くのは千束の
鷲神社。
三ノ輪駅から鷲神社までの道には余り人がいなかったので、言われる程でもなくまだまだ景気が良くなってないのかと思ったら大違い。
参道付近は大賑わいでした。
鷲神社の正面から入るのには随分と並んで、順番に参拝を待たなくてはならない。これが時間かかるんですよ。
なので、いつも隣の酉の寺から中に入ります。その入口が左の写真。
酉の寺は長國寺が正式名称ですが、鷲神社と隣り合わせ。酉の寺でお参りしてから右にある鷲神社で参拝します。神社の拝殿の周りは右の写真のように提灯が一杯。
仏様と神様にお参りしてから、いつも熊手を買う店に顔を出す。
熊では毎年同じ熊手商から頂くのが習い。
私が行くのは竜泉の松下商店。
松下さんは台東区の伝統工芸技術者として顕彰もされている職人さん。もう70をとうに越えているのに、今年も元気に店先に出ている。
写真の下方、こちらを向いて座っているのが松下さん。
熊手商は年に2〜3回ある酉の市ために、1年を通して熊手を製作している。
花火職人も同様だけれど、花火職人よりも商売の機会が少ない。
熊手を買う時には値切るものだが、余りしつこく値切っていると『年に2回しか店出さないんだからこれでお願いしますよ』なんて言われる。これはテキ屋の口上とは違い、本当に年に2〜3回しか商売しない人達なのだ。
1年を通して熊手を作っているが、最近の熊手製作者に中には、飾り物問屋の作ったものをただ刺しているだけの職人さんも増えてしまったらしい。松下の飾り物は手作りで、書かれている文字も手書きの物だ。
なによりも飾り熊手が美しい。
でも買ってみたいけど熊手の買い方が分からず、露店のお好み焼き食べただけで帰ってきたという人も多いですね。
初めて熊手を求める人は、まず気に入った店を見つけましょう。
店によって熊手の飾り物が違います。例えば写真に写っている扇のような熊手は、松下独特の檜扇の熊手で他の店にはありません。いろいろと比べてみれば好みの店が見つかるはず。
好みの店が見つかったら、あとは予算によって熊手を選ぶ。
一番小さな物で1千円からあります。だいたい1万円以下のものは、裏側に値札が貼ってある。千円の物を値切るのは難しいですが、5千円以上なら交渉しましょう。
飾り物の大きさが30cmX50cm程度で1万円から1万5千円ぐらいでしょうか。
ここからが熊手商との値切り交渉。
客『これいくら?』
店『2万円かな』
客『ちょっとまけてよ』
店『ご予算はいくらぐらい?』
客『去年と同じぐらいかな』
店『去年の話は覚えてねぇな。いくらならいいの?』
客『1万円』
店『お客さん、そりゃ酷だよ。ウチは今日しか店開かねぇんだからさ』
客『じゃぁ、1万5千円で頼むよ』
店『分かったよ。ちぇ、安いねぇ。お客さんにはかなわねぇな』(笑)
話がまとまってお金を払うと、店の人達が集まって手拍子です。
『さぁ、家内安全、商売繁盛。お手を拝借!
よぉ〜〜〜、シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャンシャン』
三本締めで『有難うございました』。
払うお金はあくまでもご祝儀です。値切るのも、いわばお決まりの手順。
だから余りしつこく値切るのは粋じゃない。ご祝儀をケチる奴には福は来ない。
5千円ぐらいの熊手が、値切って4千円になったとしましょう。
お金を払う時に『まけてくれた分はご祝儀だよ』と言って5千円ポンと払う、なんて言うのは粋ってもんじゃないですか。
江戸っ子はこうありたいね。
こんな遣り取りを楽しんだら、後は熊手を担いで神社の外に。
気になる屋台を覗いても善し、近場の店で飯を食うのも善し。
この日は屋台のおでん屋で、おでんを突付きながらコップ酒。
寒い夜に屋台のおでんって言うのも良いものです。
おでん屋の親父と話しながら食べて呑むのに忙しくて、写真を撮り忘れました。

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