日本橋高島屋に行って、雪花山房 達磨のせいろを食べてきました。
達磨については前回書いてしまったので、特に書き足すことがありません。
高島屋について催し物会場である8階に着くと、結構な人がいる。
新宿や池袋のデパートと比べると、日本橋高島屋の客は年齢層が高い。老夫婦やご近所のおばさんが連れ立って出かけてきたという風情の方々がたくさんいます。なので一部の洋菓子店を除くと、漬物屋とか和菓子屋の店先が賑わっている。
買い物は後回しにして、とにかく奥の達磨へ向かう。
日本橋に着いたのが既に3時過ぎだったので、幸いにも並んでいない。それでも店内に余裕はそれほどありませんでした。蕎麦なので小腹が空いた時には丁度いいからか、この時間にしては思ったより入っていた。
テーブルを並べてあるスペースの横は蕎麦打ち場となっていて、ちょうど高橋氏が蕎麦を打っていた。
高橋氏だけで出店を切り盛りできる訳はないので、どこかの弟子が手伝っているのだろうと思っていたら見たことある顔が。
永田町の『黒澤』が手伝っているのですね。
黒澤は和食と蕎麦を出す店ですが、映画の黒沢監督ゆかりのメニューを出すという触れ込みの店。黒澤組と言われた映画製作時の美術スタッフが演出した内装は雰囲気がありますが、しゃぶしゃぶでも会席でも黒澤流と名づけられていて、黒澤だらけでちょっと食傷気味になる。
ただ値段的にはそれほど高いわけでもなく、しゃぶしゃぶが5000円ぐらいから。蕎麦の値段も735円で、質の高い蕎麦を売ってくれることは間違いない。
高島屋の店では品書きはせいろだけ。
『勝手ながら、お1人様3枚まで』との張り紙がある。
席に着くと店の人が『1枚でいいですか?』と聞いてくる。ここは3枚と言いたいところだったのですが、中途半端な時間でもあるし2枚お願いしました。
出てきた蕎麦は二八蕎麦。
丸いざるに盛られた蕎麦はキリッとして角が立っている。何も付けずに食べてみると、ふんわりと蕎麦の香りがする。次はわさびを少し乗せて食べる。ワサビで鼻腔が刺激されるせいか、この方が美味しく感じますね。
さてツユをつけて頂きましょう。
すると思いっきり広がる蕎麦の味。やっぱりツユが蕎麦を活かすのですね。
ツユは思ったよりも鰹の出汁が効いたツユだと感じますが、それは初めだけ。
蕎麦を食べていくうちに、鰹出汁は突出することもなく蕎麦の風味を引き立てているのに気付きます。全く邪魔になんかならない。
あれよあれよ、と言う間に1枚目がなくなる。
特別量が少ないとは感じませんでしたから、それだけ美味かったということです。なくなると同時に蕎麦湯が出てきた。ツユを蕎麦湯で延ばして飲みたいのだけれど、ここは我慢。
そして少し待つと2枚目が出てきます。のど越しが良いものだから、スルスルと入っていく。飲み込んだ後に蕎麦の甘味と香りが仄かに鼻に抜けていく感じ。
食べ終えてからの楽しみは蕎麦湯。
醤油で黒々となったツユではありませんが、蕎麦湯で延ばしても醤油の風味が失せることはない。もちろん出汁はしっかり生きている。
蕎麦屋の出汁の良し悪しは、蕎麦湯でツユを延ばした時に感じることが出来ますね。決して薄まったようには感じない。
私は蕎麦を食べる時には薬味を使いません。蕎麦だけで充分。
薬味は蕎麦湯の為に取っておく。良く取れた出汁を蕎麦湯で延ばして薬味を入れる。醤油と出汁の旨味に蕎麦湯でコクが加わって、上質なスープのようです。
残りのツユで2杯は楽しめる。
美味い蕎麦を食って、最後は蕎麦湯で上等な出汁を味わう。
満足です。
なんだか黒澤の蕎麦を食べているような感じでもありましたが、黒澤で蕎麦を打っている森さんは高橋氏の弟子だから、当然なのかもしれない。
高橋氏が蕎麦を打っているところも見られたし、蕎麦もツユも美味しかったし、行って良かった。
時間を作って、もう一回行きたい。
しかし物産展のような所に行くと、ついつい散財しちゃいますね。
カヌレ、酒饅頭、ピクルスと脈絡もなく美味しそうな物をいろいろと買ってしまった。ついでに地下のペックでも買っちゃった。
蕎麦を食べに行っただけのはずなのに、気がついたら財布から1万円がなくなってた。

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