東京カレー屋名店会というユニットがある。
東京の有名カレー屋が集まり、競争ではなく競演すると言うもの。
集まったのは、
エチオピア、ガヴィアル、
デリー、
トプカ、本郷プティフ。
カレー好きなら誰でも知っていると言うくらいの有名店ばかり。
この5点のカレーが一皿に盛られたカレーコンボが売りとあっては、行かないわけには行きません。
このカレー屋ユニットは去年の後半から、いろんな催し物会場に出没している。
多くはデパートの催し物会場だが、有名店の味が一度に味わえると言うことで催し物の目玉になるらしい。三越、高島屋などの各店に出没している。閉店したデリー赤坂店の後にも、一時期出ていた。
今回は西武池袋本店に初登場なのだとか。
全国下町人気グルメフェアと言うイベントなのだが、西武デパートのHPでも
池袋Walkerを見ても東京カレー屋名店会がメインに扱われています。
しかしこのグルメフェア、よく分からん店のセレクトだ。新宿の中華料理屋が人気店なのは分かるが、下町の人気店に入るのだろうか。北海道の中標津も下町なのかね。
あえて下町と銘打ったのは何故なんでしょうね。
頼んだのは5種類のカレーが一度に楽しめると言うコンボカレー。
上段左から、ガヴィアルの欧風チキンカレー、エチオピアのチキンカリー。
下段左から、トプカの牛すじカリー、本郷プティフのコーロカレー、デリーのコルマカレー。
ご飯とチャパティー、漬物。
この中で行ったことがないのは欧風カレー店である、ガヴィアルと本郷プティフ。
まずはここから食べてみました。インドカレーにはないコクと甘みはすごいです。欧風カレーと一括りにしても、それぞれ味のバランスが異なるので食べ比べと言うのは楽しみがあります。
同じ欧風カレーでもトプカの牛すじカレーは少し方向性が違う。
かなりまとまりが良いカレー。しかし美味しいのは美味しいのだがまとまり過ぎて、ガヴィアルの甘み、本郷プティフのコクに対抗できずこのプレートの中では埋もれてしまう。
良く伺うエチオピアとデリーについてはやや不満。
エチオピアのチキンカリーは特徴であるクローブの香りが効いていない。デリーのコルマもインパクトにかけ、しかもほんの少しだが嫌な苦味が気になる。
出来が悪いと言うよりも、コンボを作るために特徴を押さえ気味にしたのではないだろうか。だから辛さも大変控えめだ。沢山の人に知ってもらうために、ある程度一般受けするように作るのは理解できる。
だとすると初めて食べたガヴィアルと本郷プティフについても、実際に店で食べるのとは味が異なるのだと思っておいたほうが良さそうだ。
このカレーは現場で調理したものではない。それぞれの店が、以前紹介した
デリー オンラインレストランとほぼ同じ方法で低温殺菌したパウチを制作し、それを温めて供している。工場で一定の仕様に基づいて作るのではない。実際にレストランで作るのと同じ工程を踏んで、それをパッケージ化したものだ。
だからユニット用に味を変えることも可能。
味も変わっているし、温めて出すだけならパウチを買って家で食べれば同じなのだが、それはそれで良いと思う。催し物に来る人の多くは店に来たことはないだろうから、これを機会にいろんな店のカレーを食べてもらう。そしてカレーの楽しみに気付いてくれれば、潜在顧客が広がる。
ユニットとしての目的は達せられるのですね。
しかしそれは売り手側の目的が達成されるだけで、食べ手側の目的は全然達成されません。
トプカらしい、エチオピアらしい、デリーらしいカレーが食べたい。それが一度に食べられると思うから、既存顧客である私のような奴も出かけていくのですよ。
まぁ、そういう人は個々の店に行って食べるほうが良いと言うことでしょう。
いつもの味と変わっている、または変えているのは理解できますが、ここからは苦言です。
ご飯が旨くない。これだけ旨くない飯をお金を払って食べたのは久しぶりです。米が割れている。潰れている。水分が多すぎる。
インド料理を食べに行くのなら別でしょうが、やはり日本人にとってはカレーはご飯で食べるもの。ご飯がまずけりゃ、どんなに美味しいカレーが出てきても楽しめない。
私はルーだけでも喜びますが、普通の人はご飯と一緒に食べるでしょ。
デリー赤坂の跡で開いた東京カレー屋名店会のコンボカレーならこんなことはなかったはず。他の店のカレーはパウチでも、少なくともデリーの職人が厨房にいたでしょうから。ご飯にだって随分と気を使ったはずです。
人ごみの中でのイートインですから、客の誘導は大切です。
カレー屋ですからフランス料理店のようなサービスを期待するものではありませんが、少なくともどの店でも気持ちよく接客してくれます。
このような場所では誘導が一番大切な接客ではないかと思う。
順番通りに席につける、頼んだものが間違いなく出てくる。
当たり前のことに不安を感じると、客は楽しめません。美味しいものにも猜疑心を向けてしまう。
お金を払ってから並ぶのか、並んでからお金を払うのか。席を取ってから注文するのか。誘導がないと、悪気はなくても皆勝手なことをしてしまいます。人ごみの中で待つお客さんには、最大限の注意を払った方が良いと思います。
色々と感じることがありましたが、これだけタイプの違うカレーを一皿で頼めると言うのが面白いのは事実。
このユニットの始まりはトプカの関根氏のようですから、今後に期待しましょうか。
何せ関根氏はサラリーマン時代にカレーのフランチャイズ立ち上げを担当していた経験がある。
嫌味な言い方をすれば、カレー職人は弟さんで、本人は商売人。何が大切なのかは身に染みて分かっている人です。
HPもこれから立ち上げるそうなので、今後いろんなメディアにも露出すると思います。
とにかく美味しいカレーを期待してますよ。

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