地味にカレー屋巡りを続けています。
上野に用があったので、運動がてら自転車で出かける。
運動がてらというのはあながち嘘ではないのだが、一番の理由は寄り道だ。
走りながら小腹が空いたら寄り道が出来る。
あそこの蕎麦を食いたいとか、あのカレー屋に行ってみよう等と思い立ったとき、電車で動いていると小回りが効かない。乗り降りで電車賃もかさむ。自転車ならばヒョイと方向転換して寄り道をすることが出来る。
日本橋を過ぎた頃に腹が減ってきたので、どこに行こうか考えながら自転車を漕ぐ。思いついたのは小伝馬町の『なか』と言う店。
この店は居酒屋なのに、ランチタイムには旨いカレー屋になる。
住所は
中央区日本橋小伝馬町10−8。

昼間の入り口にはカレーの看板が出ていて、『本格インドカリー』『一度食べたら忘れない味』なんていうキャッチコピーが踊っている。
中に入るとカウンターとテーブル席がある。
カウンターの向こう側にはタンドール釜。
和紙をまいた照明はほの暗い。
もともと居酒屋なのだが、なかなか落ち着いた内装だ。
私は調理をしているところが見たくて常にカウンターに座るのだが、この店は調理が良く見えないのであまりメリットはない。
この店にはスペシャルカリーと印度風カリーがある。
スペシャルは野菜カリーとカツカリー。
印度風にはムルギ、ムルギダル、キマとある。
ムルギはチキン。ダルは豆なのでムルギダルはチキン豆カレーだ。キマは普通キーマと呼ぶ挽肉のカレー。
他にもヘルシーカレーとして和風マーボカリーとかいろいろある。
厨房の中には1人のインド系の料理人がいるので印度風を頼みたいところだが、『なか』らしさを味わいたいのならスペシャルの方がいい。インド料理が食べたいのであれば他にも店はあるしね。
この店はもともとはデザイナーが副業で始めた喫茶店。
ランチを出そうと言うことになった時、どうせなら日本人が皆好きなカレーをメニューにすることにしたらしい。メニュー開発のためにオーナーはインドに飛び、現地のカレーと日本のカレーの違いに衝撃を受けた。
そしてメニューになったのが印度風と、それを食べやすく日本人向けにアレンジを加えたスペシャル。
出てきて驚くのが、皿の大きさ。
直径30センチ以上あるのではないかという大皿に盛ってある。
この皿で出てくると、かなりのインパクトがある。しかしご飯は皿の半分に平たく盛ってあるので、実際の盛りは見た目ほど多くはない。
カレーはサラサラなのだが、炒めた微塵切りのタマネギやすりおろした野菜が入っているので適度なトロミがついている。このタマネギと野菜からかなりの甘みが出ている。この甘みはくどく感じる人と好ましいと思う人に分かれるだろう。
カルダモン、コリアンダーなどの他にも、野菜にあわせて結構アジョワンを効かせている。スパイスはパウダーだけでなく、ホールを挽いて使っている。なので鮮烈な香りがする。
さすがに国立の
香鈴亭ほどではないが、それでもホールを挽いたスパイスの香りはパウダーとは別物だ。
味のベースにしているのはチキンブイヨンか。それも結構あっさりとしている。
基本のインドカレーは水から作る。しかしインドカレーを標榜していてもブイヨンを取っている店は多い。やはり日本人の味覚にあう旨味が必要と言うことなのだと思う。
ご飯はターメリックが効いていてかなり黄色い。
そしてチキンブイヨンで炊いたような風味を感じた。風味と言うか匂いかな。ちょっと癖がある。
いつもこんな感じだったかなぁ。
ご飯だけ頂くと個人的には違和感を覚えた。
カレーだけ食べると野菜の甘みが少しくどいと感じる。
でも一緒に食べると、どういう訳かこれがまとまるんですよね。
それに野菜がゴロゴロ入っているのが良い。
肉系カレーはかなり栄養が偏るから、本当は野菜カレーにするほうが体に優しい。
このカレーを食べていて思い出したのが町田にある
アサノのカツカレー。
カレーのルーが似ている。作り方も似ているのではなかろうか。
アサノよりも甘みが出ているカレーだが、カツと合わせるとまた違った感じになるのだろう。
この次に来た時には印度カリーにするか、カツカリーにするか迷ってしまうなぁ。
ムルギダルカリーも捨て難いしね。

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