蒸し暑いですね。
先日の停電が短時間で復旧してよかった。
この暑さじゃ、冷蔵庫の中身がすぐに傷みそう。
前の晩に思わぬ深酒をして二日酔い気味。それでこの暑さ。
出かけるのはしんどいけど、やることはやらなきゃいけない。
昼飯抜きは体にこたえるので、何か食べようと思ったけど食欲がない。
とにかく二日酔い気味の体をシャキッとさせるために、シジミの味噌汁が飲みたくなった。
飲みすぎた次の日は、なんか味噌汁が飲みたくなりませんか?
水分が摂りたいし、塩分も欲しい。
大根の味噌汁なんかは大根自体が健胃剤のようなものですから、二日酔いに効きそう。
貝の汁ものも良い。
アサリ、シジミ、ハマグリ。
貝の旨味とエキスが胃に染み渡る感じがするんです。
それで何となくシャキッとする。
向かったのは、とんかつ双葉。
定食の味噌汁が豚汁とシジミから選べるから。
ここはシジミの味噌汁で気分をリフレッシュしないと言う訳です。
それに夏メニューで気になっていた特撰ロースかつがある。
やまゆりポークってどんな感じなんだろ?
銘柄豚と呼ばれるものは100種類を超えるらしい。
でもこれは100種類の豚がいることとは違います。
そもそも品種改良の元になる純血種の豚は6種類しかいない。
よく耳にする三元豚。
これだってなにも
平田牧場の専売じゃない。3種類の純血種を掛け合わせて出来た交雑種を三元豚と呼びます。
パークシャー種・大ヨークシャー種・デュロック種の3種類でも、パークシャー種をランドレース種に変えたものでも、みんな三元豚。もちろん四元豚もある。
肉付きの良い種と繁殖力のある種などを何種類か掛け合わせて品種改良するわけです。4種類なら四元豚になる。
それぞれ飼育管理方法や飼料などに工夫を凝らしているのですが、地域ごとに銘柄名をつけているから100種類を超える銘柄豚が売られるようになる。
『銘柄豚』とか『銘柄鶏』と聞くと、なにかすごく良い肉のような気がしてしまう。
でも○○ポークなんていう豚肉は全国に沢山あるということです。
もちろん養豚業界が量から質に転換してきたからこのようになった訳で、銘柄豚を信用していないわけじゃない。ただ沢山ありすぎて、名前を出されただけじゃ私たち素人には何も分からないんです。
有名だから旨いとは限らず、無名でも美味しいものがあるから。
そして知らない銘柄もたくさんある。
とにかく頼んでみました。
飲みたかったシジミの味噌汁をすすると、なんか胃が休まる気がする。
そうしているうちに特撰ロースかつが来ました。
とんかつの断面を見ると、上ロースとは違う肉だと分かる。
キメが細かくて、見るからにジューシーです。
厚みは上ロースの方が厚いかな。
口にすると、なんとも柔らかい歯ざわり。
肉の繊維質が細かいんでしょうね。噛むとスッと切れる。
そして噛み締めたときの肉汁がいい。
肉に保水力があるんでしょうね。
冷蔵庫で保存してると肉からドリップがどんどん出てしまうようなら、その肉は保水力がなく旨味が逃げやすい肉だ。キメの細かい肉はそうならない。
ロースの脂身が、またサラリとしているんです。
豚特有の匂いなんかまるでなく、むしろ良い香りすら感じます。
透明感のあるいい色をしている。
この脂身は旨いです。
豚の旨さは脂身にある。
もちろん肉自体の旨味もあるんですが、脂身の美味しい豚は肉も旨いに決まっている。
脂身が綺麗な白い色ならば、その豚は良い環境で健康に育った証拠です。
そういう脂身は硬いなんてことはなく、粘りがあるのにサックリと噛み切れる。
やまゆりポークって美味しい肉だ。
やや淡白かなという感じもするけれど、この豚肉は好いですね。
食べたことのない銘柄豚や銘柄鶏に対しては斜に構えてしまうのですが、丁寧に育てられた豚肉だなと素直に感じました。
もちろん揚げ手の技量もあるんでしょう。
ちょうど良い火の通り具合だし、コロモは軽くサクサクしている。
バリバリにコロモが立っているとんかつも好きですが、このくらい軽いコロモも嫌いじゃない。
この肉に合っていると思う。
でも双葉に来ると1つだけ思うところがあるんです。
この店はいい加減な調理をする店じゃないと思っているし、対応も気持ちよい。
それだけにちょっと残念だと思う。
それは食べているうちに、皿に接している部分のコロモがふやけてしまうこと。
キャベツに寄りかかって浮いているところはサクサクのまま。
最後の3切れ程は、皿にくっついている部分だけコロモの食感が落ちてくる。
毎回とは言わないが、1度や2度でもないんですよね。
皿が濡れているわけではない。
浮いている部分はサクサクのままだということは、肉から肉汁が染み出ているということではないはず。もともと保水力のある良い肉のはずですから。
となると、皿に接している部分が蒸れていると言うことなのでしょうね。
網を敷けば解決することじゃないかと思うけど、もしかしたら他店と違う揚げ方だからとか他に理由があるのかもしれない。
網を敷かなくたって蒸れてない店はありますから。
よしみ、田、珍豚庵の上ロースと比べると、双葉の特撰ロースの脂身は別格だ。
肉のキメも細かくて旨い。
そして揚げ方も、そんな肉の美味しさを良く引き出している。
コロモはピチッと肉を包み込んでいて、剥がれることもない。
それだけに部分的にふやけたコロモが余計に気になってしまう。
適当な店ならば、今後は行かなければ良いだけのこと。
でもこの店はそうやって切り捨てる気になれない。
確か本店は浦安ですよね。
地元で20年以上続いてきたとんかつ屋。
繁盛しているし、手広く商売もしている。
そういう店には慢心しているところもたまにあったりする。
でも双葉 葛西店には、そんなところは微塵も感じない。
だから惜しいなぁ、と思っちゃうんですよね。
特撰ロースかつ、旨いです。
1800円と安くはありませんが、払うお金は少しも惜しくない。
だからあと1つ、ちょとだけ工夫してください。
最高の特撰ロースかつ定食が食べてみたいんです。

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