久しぶりに
デリー・ダルバールに行ってみた。
moyazoさんからのコメントで、11月から料理人3人を入れてレストランとして再開すると聞いていたからだ。
相変わらずの店構え。
階段を登ると奥様が注文を取りに来た。
ビーフと卵の2種類のカレーを頼む。
ビーフは最初のうちはしょっぱい思うのだが、食べ進むとちょうど良く感じるから不思議。
卵カレーはトマトの酸味とタマネギの甘みのバランスが好き。
相変わらず人のいない店内。
1人でカレーを堪能してお勘定をしに下へ。
お金を払いながら、またしても長い立ち話。
顔を忘れられていても当然なのだが、少し話しているうちに思い出してくれたみたい。
この店に来るといつも、食べている時間の10倍ぐらい立ち話をしてしまう。
11月の新装開店について聞いてきました。
中旬ぐらいから南インド料理を出し始めるとのこと。
料理人を務めるのは私でも知っている人だった。
どこに迷惑をかけるとも限らないから詳しいことは書けないけれど、かなり期待できると思います。
その料理人はクッキングアカデミー出身で、日本での実績も充分ある。
インドのクッキングアカデミーと言うのがどれ程のものか知らないし、クッキングアカデミーという名の機関がいくつあるのかも知らない。そんな肩書きだけで、料理に金を払おうとは思わない。
しかし隅田川から東側に住んでいるインド料理好きの人ならたぶん知っているであろう店を軌道に乗せた料理人だ。
腕は折り紙付きだと思う。
世界的なホテルで10年以上の経験を持つ料理人も参加する。
南インド料理として紹介されているものは家庭料理の延長のものがほとんどだ。
聞こえは悪いが、東南アジア各地の露天の屋台料理と変らないと言える。
しかしホテルで出していたとなると、屋台料理そのままではないはず。
このへんも興味津々。
私は現地そのままの料理が一番だとは思わない。
もちろんインド料理に限らず本場には本場の良さがあって、変におとなしくアレンジされてしまうとパワーが感じられなくなってしまうことは多い。パワーを失った創作アレンジなんかよりも現地そのままのほうが好きなのは事実。
でも日本で商売をするのなら、日本の風土にあったように手を加えるのは当然のことだとも思う。
現地の空気を感じさせながら当地に合うようにアレンジしてくれたとしたら、こんなに素晴らしいことはない。
ただし中心となる料理人はインド人を唸らせる料理をしたいと思っているらしいし、オーナーも日本人に媚びた料理には興味がない。
ホテル出身の料理人とはこのへんに凌ぎ合いがあるのかも知れないが、果たしてどうなるか。
どちらに転んでも、客である私には良い事なんです。
南インド料理にしたのは、何も時流に乗ろうと言うことではないようだ。
日本では北インド料理を出す店のほうが圧倒的に多い。
南インド料理店というのは、いわば新参者だ。
当然のことながら在日インド料理人の中でも、北インド系が幅を利かすことになる。
南インド料理を得意とする料理人が厨房のイニシアチブを取ることは極めて稀だ。
海外で日本料理が流行しているといっても、はじめは寿司ばかり。
常に寿司職人がえらくて、八寸や椀物を担当する料理人の肩身が狭かったのと似たようなもの。
そんな南インドの料理人に、自由に料理が出来る場所を提供したいと言うのがオーナーの意向らしい。
あの店にそんな問題が、と言うような厨房内のゴタゴタ。
有名なのにあそこのシェフってその程度なの、と言う実情。
店の内側では客には見えないたくさんの事がある。
もちろん私の知っている情報が間違っていることだってあるでしょう。
でも火のないところに煙は立たず。
もしもそんなことと無縁な店が出来れば、南インドの料理人の新天地となる。
いくつかの有名インド料理店を影ながら手助けしていた料理人が自由に腕を振るえる店。
気心の知れた料理人同志が集まった店。
上手く回って、良い店になって欲しいと思います。
2週間後が楽しみ。

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