先日の台風は久しぶりの首都圏直撃でした。
その前にも直撃した台風があったけど、あの時はどういうわけか雨が降らなかった。
全然暴風域に入ったと言う実感のない直撃。
でも今回のはすごい風雨でした。
台風の状況や長雨によって、野菜や魚の値段はずいぶんと変わります。
仕入れの状況も全然違う。市場に行っても何もないときがある。
あの台風の直後、いつもの魚屋に顔を出したら店の中は鯛だらけだった。
天然物の大鯛から小鯛までそれはそれはたくさん。
鱗をバラ引きして内蔵を壷抜きしたものをバットに並べてみたところですが、この大きさで200円ですよ。刺身にするのは手間がかかるだけで美味しい食べ方じゃない。そのまま粒の大きな塩を振って焼くか、土鍋に並べて鯛飯にするほうがいい。
お手軽に塩焼きにして食べたのですが、なかなか美味しかった。
このくらいの大きさの魚ならメバルでも鯛でも、買ってきて直ぐに内臓を抜いてしまい、綿を巻いた割り箸を口から突っ込んで血合いを綺麗に洗っておけば使い道はいろいろある。
塩焼きだけでなく、蒸し焼きにして熱いネギ油をかけまわしても良い。
卵白を使って塩釜にしオーブンに放り込んでおいても、手間がかからずに美味しくなる。
自然のめぐり合わせでこの日は鯛が多かったのでしょう。
こういう日は美味しいものが安く買えるので嬉しい。
入荷が多ければ値段が下がるのは市場の原理。
物が良くても値は下がる。
消費者にとってはありがたい。
これは魚だけのことではありません。
今年の中国産の松茸も比較的安め。
築地の場外の八百屋の店先には夏の早いうちから中国産が並んでいます。いつもならそろそろ中国産の出荷は減ってくるはずだけど、今年はまだまだありそうだ。値段も落ちついています。家で食べる分にはこれで十分。
成富風に作った鴨の酢煮の残りと一緒にぶっかけうどんにしました。
蛍光灯の下だと色写りが悪いなぁ。
ツユのベースを作っておけば具材を乗せるだけいい。
ぶっかけうどんは手軽に時季のものを楽しめます。
今回はぶっかけなので冷たいまま乗せましたが、鴨の酢煮は食べる時に一度温めた方が旨味が生き返る。冷たく締めたうどんとツユに、仄温かくて美味しい鴨が合います。
ツユは鰹節を抑えて、干し椎茸の戻し汁を松茸の香りとぶつからない程度に加えます。
松茸の命は香りと歯触り。シャクシャクと噛んだ時に鼻に抜ける香りを楽しみたい。
表面をサッと炙って手で裂くのがいいです。包丁なんかいらない。
旨味豊かなツユ。
鴨の旨味と酢の酸味、松茸の香り、薬味として入れた茗荷。
家の昼飯として食べるには贅沢なうどんです。
こんなことが出来るのも市場の原理が働いているからですね。
出回っている数が少ない走りの時季に楽しむもの好いですが、旬になれば価格は下がります。
その時々の旬を手頃な価格で味わえるのも、市場原理が働いているお陰です。

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