久しぶりに昼飯で人形町の
小春軒に行った。
玉ひでのものすごい行列を掻き分けて、白い暖簾の掛かる小春軒へ到着。
小春軒の初代が見習いコックになったのは100年程前。その後、明治の元勲、山縣有朋の専属料理人となり、結婚を機に人形町に洋食屋を開店。現在の4代目が明治の洋食の伝統を守る店だ。
頼んだのはハンバーグライス。それにコロッケを1つ付けた。
目玉焼きが乗った、懐かしいハンバーグです。デミグラスソースはいつもの味。ハンバーグもいつもの味。付合せのポテトサラダもいつもの味。コロッケも当然いつもの味だ。
何がどう美味いという訳でもなく、安心していつもの味が楽しめるのが嬉しい。
ハンバーグを食べながら、私の感覚も流行に左右されているのだと思った。
昨今のハンバーグは肉汁たっぷりのジューシータイプが主流だ。ナイフを入れると、荒挽き肉からあふれ出る肉汁が食欲をそそるタイプ。
しかし小春軒のハンバーグは違う。表面にしっかり焼き色がついているのだが、照り焼きでもないのに照りがある。ナイフを入れても肉汁なんか溢れない。それでいて、頬張るとしっとりしている。たまねぎは甘味が出たところで炒めるの止めるのか、シャキシャキした食感が残っている。
このたまねぎのシャキシャキが、なんかすごく新鮮だった。比較的つなぎが多いハンバーグなのだけれど、このたまねぎが良いアクセントになって肉の旨味を受け止めている。
つなぎが少なく、ラードを練りこんで肉汁を多くしている今風ハンバーグも美味しいけど、たまにはこういうのも良いね。
料理長に、メンチカツのタネとハンバーグのタネの違いについていろいろと聞いてみたくなる。似たような料理だけれど、このハンバーグのタネに衣をつけて揚げてもメンチカツにはならない。何をどう代えているんだろうか。
ハンバーグを焼くときには何に気を使かっているんだろう。
昔の伝統の味を守ることは、進化することを止めて守りの姿勢になることとは違う。手軽に同じ味を出せる添加物や、コストダウンが図れる加工食材がどんどん開発されている。それでも、良い材料を選んで手間をかけながら、自然の旨味を引き出していく技を駆使して同じ味を作っていく。同じ味と言っても少しずつ変わってきているはずなのだが、『うちの味』と言うポジションからは決して外れない。手間隙かかる分、儲けも少ないだろうなぁ。
その反面、時流に乗れずに損をしている部分もあるだろう。いつまでも同じメニューしかないのは怠慢だと叱られるかもしれない。それもその通りだ。実際に、まじまじとメニューを見てみると、洋食屋か揚物屋か分からなくなる。
でもやっぱり、いつもの味に出会うとホッとする。
ハンバーグは西葛西でも食べられる。
『
ふらんす亭』、『
プチダイニング 遊』、『
モア』、『
ぼくんち』など。他にも、ファミレスがありますか。
この中で、『ふらんす亭』はチェーン店なので当たり外れはない。『プチダイニング 遊』と『モア』はそれぞれ違ったタイプのハンバーグを出しますね。
こういう食べ比べは、店主の考え方が出ていて面白い。『
ぼくんち』には行ったことがない。
もっといろいろな店が、自分のハンバーグを出してくれると良いのに。
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追記:その後、ぼくんちにも行ってます。本文中のリンクをクリックしてください。

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