腹は減ったが、晩飯が出来るまでには少し時間がある。
やしまで蕎麦を食べてしまうと晩飯が美味く食べられるほどの空腹感はなくなってしまう。
ドトールで何か食べるのもなんだか・・・
そうだ!小龍包でビールでも飲むか!!
バーに行くには時間が早いし、ウチメシなので居酒屋で腹を満たすわけにも行かない。点心類をツマミにビールってのは、我ながら良いアイデアだ。

と言うわけで、小龍包を食べにいそいそと紅綿菜館に入る。
しかし・・・・紅棉菜館には小龍包はなかった。
あったと思ったが、メニューにない。
気のせいであったか・・・・
一品料理を頼むわけにはいかないので、とにかく点心。
頼んだのは餃子と焼売。
一人ではなかったので、このくらいならツマミに丁度良い。
早い時間からビールって言うのも気が引けるが、たまにはいいでしょ。

この餃子、結構でかい。
さすがに龍高飯店の東北鍋貼のように巨大ではないが、それでもひとつが約10センチ近くもあるだろうか。(大袈裟かな?)
表はかなり良い色合いでパリッとしているように見えるでしょ?
ところがこれがそうでもない。箸で持ち上げると弓なりになって崩れそう。
実際に裏側の張り合わせ部分が甘いものは、ほぐれてしまった。
表面はシッカリ焼いてあるのだが、同時に充分すぎるほどのお湯で蒸し焼きになっているため、皮の裏側は柔らかい。
意外とフニャリとしている。
食感自体は嫌いじゃない。餃子は春巻きじゃないんだから、あまりにパリパリしているのもどうかと思う。
餡自体も舌の上でネットリくる。ジューシーと言うのとは異なり、野菜の旨味が口の中にネットリと広がる。韮がなかなか良い感じ。
餃子自体はフニャリ、ネットリとしたもので、味付けも取り立てて感激するほどのものはない。でも、なんか面白い餃子。旨味が絡みついてくる餃子です。
そして餡の量も多目のなで、意外と腹にたまる。
この餃子をツマミにビールって言うのは、結構いけます。

焼売はてっぺんにエビが乗っているが、いわゆるエビ焼売ではありません。
中の具は豚肉です。
しっかりとした味付けがしてあり、ブタの脂身を感じさせる旨味。
この旨味はラードですね。
この焼売を食べて、紅棉菜館に来ている実感を得た。オイリー上海料理、旨味シッカリの紅棉菜館。
口の周りもベットリするなんて言うことはありませんが、結構しっかりとラードを使っていると思います。
点心でラードを多用するのは、たいへん古典的な調理法と言えます。
香港でも最近の健康志向の蔓延で、点心は軽い味付けになってきているます。華やかな彩りの、可愛らしい形をした点心が主流を占めています。
香港には
陸羽茶室という広東料理と中国茶の名店があるのですが、ここの点心はしっかりとラードの旨味をまとっている。オイリーなものはオイリーに、清澄なものは清澄にという古典的なスタイルを頑なに守っている。ガイドブックで持て囃されている流行の店とは一線を画しています。
紅棉菜館の焼売を食べたときに、この陸羽茶室を思い出しました。
最近では少なくなったタイプの点心です。
但し、これを美味いと感じるかどうかは人によるでしょう。
紅棉菜館の味付けが好きな人には堪らんでしょう。
特にラードの旨味って言うやつはハマル人はハマルかも知れません。
私はビールのツマミとして食べたと言うこともあるのですが、フニャリ餃子もオイリー焼売も美味しく楽しめました。
基本的にこの店の料理は私の趣味に合っているしね。
懐かしい感覚すら覚える。

点心とは別に気になったのはこのメニュー。
最初、『
中華風おやじ』かと思った!
オ、オレのことか?!
おじやですね。オヤジじゃなくて。
泡飯って言うのはなんと説明すればいいのかな。
中華風茶漬けですかね。
スープかけ御飯、または御飯のスープ煮です。お粥とはまた違う。
たまに中国粥として泡飯を出している店を見かけますが、本来は別物です。
お勘定を払うときにレジのおばちゃんに一応確認してみました。
『中華風おじやって何ですか?』
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適当に答えやがった

まぁ、いいよ。こんなことで一々目くじらは立てないから。
泡飯はいずれ自分で確かめます。

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