本を片手に点心でビール。ちょっとした時間を過ごすのにいい。
そこで、久しぶりに龍高飯店。
私は
アンチ龍高飯店派でございますが、点心の種類の多さは西葛西随一なのは異論がありません。
私が嫌うスープなし小龍包が、もしかして、もしかして改善されてないものかと仄かな期待を抱きながら入店。

店内は相変わらず中国現地ムードに溢れている。
マスターまでもが、青いチャイナ服を着ているのには驚いた。現地人は着ることのないお土産用なのだが、店内ムードを盛り上げようと言う気遣いなのでしょう。
メニューには相変わらず多種多様な料理が載っていますね。
雑な料理があると嘆いてはいるけれど、これだけ豊富なメニューを維持するのは、それはそれで大変なことなのです。
頼んだのは定番の東北鍋貼、蝦餃子、小龍包。
これで生ビールを飲む。

名物となっている東北鍋貼は一つが普通の春巻きよりも大きい。餡を長細くまいて両面をパリパリに焼き上げた餃子で、既に餡に味がバッチリついています。何もつけなくても大丈夫。
右の写真の皿に点々とついているのは醤油ではありません。餃子の中を撮ろうとして割った時に溢れてきた、味つきの汁です。色からして分かるとおり、その味は濃く、シッカリしています。
ビールを飲むアテとしては丁度良いくらい。

蝦餃子は蒸し餃子の定番。
非常に綺麗なピンク色をしている。
米粉で作られた透明な皮と蝦の綺麗な発色がないとこの様にはなりません。
見た目はそそられますが、欲を言えばもう少しプリッとした蝦を使って欲しかった。
龍高飯店に限ったことではありませんが、日本の蒸し蝦餃子にはプリプリ感が足らない。
西葛西近辺での唯一の嬉しい例外は、
イースト21の桃園だけですね。その分、高いけど。


さて問題の小龍包です。
今回頼んだのはふかひれ入り小龍包。
普通の小龍包は6個入り。こちらは同じ値段ですが4個入りです。
中を割ってみたのが右の写真。レンゲの左側にスープが見えますでしょうか?
破けてなかったのですよ、小龍包が。スープは入っていた。当たり前のはずなのですが、これまでの私の龍高飯店での経験では初めてのこと。
実は小龍包を頼む時に、マスターから『ふかひれ入りにしたらどうですか?4個になるけど値段は同じ。ふかひれ入りのほうがスープがたくさん入っている』とのコメントがあったのです。
そして出てきた点心は蒸篭のままではなく、皿に移し返られていた。オヤ?と思いました。個人的には蒸篭のまま供された方が好きなのだが、皿に移す過程で破けてスープが出てしまったものは除くことが出来るはず。もし破けたものをそのまま皿に移して出してくれば、それこそ語る価値のない店になってしまいます。
以前は蒸篭のまま出していたと指摘してみると、その通りだったのだが、途中から移し変えるようにしたとのこと。
そして、食べ終わった時に『スープは入っていましたか?』と聞きに来た。
以前はそんな事はなかった。頼む時に破けないようにと念を押しても、出て来た時に文句を言っても、いつも反応がなかった。
今回は、小龍包にかなり気を使っている様子が汲み取れた。非常に良いことだ。
皿に移し変えるようにしたのが不良品をはねる為なのかどうかは知らない。でも、結果としてまともな小龍包が食べられるようになった。
大きく改善したと思います。
小龍包自体はふかひれは入っているのかどうか分からないほどだが、高価なふかひれがこれでもかとばかりに入っている小龍包なんかを期待する方がおかしいと言うもの。自慢されるほどスープが多いわけでもなかった。でもスープが入っていると言うこと、破けた小龍包ではないと言うことが、まずは大切なのだ。
これは間違いなく小龍包だ。
私のような小龍包好きにとっては、まがい物でなければそれだけで美味しい。
そしてなにより、客の意見を聞きに来てくれる姿勢が嬉しい。
そう言えば点心しか頼んでいないのに、小皿とレンゲを持ってきた。熱々の小龍包を食べる時には、中のスープをこぼさいように食べるためにレンゲは必須だ。龍高飯店の小龍包はレンゲが必要なほど熱くはなかったが、問題なのは心遣いだ。この心遣いは嬉しい。
客と言うものは欲深いもので、まともな物が出てくれば出てきたで『もっとこうなればいいのに』と思う。
龍高飯店の小龍包も、入っているかどうか分からない程度のふかひれなんか入れなくていいから、もっと中のスープに気をつけて欲しい。包子の頭を箸でつまんだときに、タップンタップンとなるような小龍包が食べたい。そして蒸篭のままで良いから、舌が火傷するぐらい熱々の物を出してくれ。それでこそ小龍包。
ハフハフ言いながら食べるような小龍包を出す店はほとんどないのが実情なのだから、そうなるだけでも他店との差別化にもなるはず。
でも、久々の龍高飯店は良かった。
美味しく生ビールを飲むことが出来た。
小龍包が食べられた。
嬉しかった。

←投票してやろうと言う方はクリックしてください。励みになります。

2