明治31年(1898)に創業された「井元商店」は、明治42年(1909)には、アメリカ輸出の拠点となるサンフランシスコに「日本トレーディング商会」を設立し、さらに大正10年(1921)にはニューヨークに「丸八商会」(大正12年に「井元ブラザース」と改称)を進出させた。これと前後する大正9年(1919)、南洋貿易の一中心地シンガポールに作ったのが「南洋商工」であった。さらに昭和10年(1935)ころまでの間に、マレー半島のペナン、コタバル、スマトラ島メダンに支店を設け、シンガポール島内のアロスター・ムーアに出張所、市内に小売店、薬品医療機械店を配置した。シンガポールの「南洋商工」は、井元商店の稼ぎ頭となり、陶磁器、雑貨に関しては、三井物産・三菱商事を凌ぐ勢いであった。

シンガポールの「南洋商工」
井元商会の海外での活躍は、そのほかにもいろいろ残されている。名古屋陶磁器会館の松井さんのブログで紹介されていた賞状のことを思い出した。井元家に残されていたものである。
ひとつは、明治42年(1909)の「アラスカ・ユーコン太平洋博覧会」、
もうひとつは、大正4年(1915年)「パナマ太平洋博覧会」での陶磁器出品作品の賞状である。PORCELAINS(陶磁器)部門にて、どちらも、SILVER MEDAL(銀賞)を受賞したと記されている。写真と詳細は、名古屋陶磁器会館の松井さんのブログをご覧ください。
http://pottery.blog.ocn.ne.jp/pottery/2005/03/

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