旧暦水無月(みなづき)は、農事がすべて済んだので「みなし月」、梅雨が終わって好天が続く「水が無くなる月」、稲の実がふくらむ時期の「実の成り尽き」などの説があるが、現在の暦上の梅雨の時期とはイメージの差が大きい。

明和高校の中庭には、紫陽花の花が咲き始めたが、このところの好天で生彩を欠いているが、それでも微妙な色合いを楽しむことができる。
紫陽花というと三好達治のこの詩をすぐに思い浮かべる。
乳母車
母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
はてしなき並樹のかげを
そうそうと風のふくなり
時はたそがれ
母よ 私の乳母車を押せ
泣きぬれる夕陽にむかって
轔轔と私の乳母車を押せ
赤い総のある天鵞絨の帽子を
つめたき額にかむらせよ
旅いそぐ鳥の列にも
季節は空を渡るなり
淡くかなしきもののふる
紫陽花いろのもののふる道
母よ 私は知っている
この道は遠く遠くはてしない道
(詩集『測量船』から)

いろいろな通りで、黄色い美しい花が一斉に咲き始めた。これは、オトギリソウ科の「ヒペリカムヒデコート」という花で、日本名は「金糸梅」というようである。二三日前に椙山高校の南の通りを走ったらこの花が見事に咲いていた。名古屋拘置所の前も一面の黄色である。

明和高校の校内では、今、別の黄色い花で埋め尽くされている。こちらは、「コレオプシス」、日本名「金鶏菊」である。いつものように司書さんが調べてくれた。

グランド側には、「ユッカ」の花が真っ盛りである。日本名は、「アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)」である。リュウゼツラン科。

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