ストーカー行為をして思いが成就することはほとんどないのに、ストーカー規制法違反の罪で起訴される事件は後を絶たない。なぜなのだろう。
9日、東京地裁で開かれたある事件の初公判では、裁判官が「なぜストーカーをしたのか」という質問を、男性被告(26)に浴びせかけた。
被告が問われたのはストーカー規制法違反と住居侵入の罪。起訴状によると、被告は平成20年1月31日〜3月1日、交際していた女性に155回も電話をかけ、2月には女性のマンションの玄関ドアに「話がある」などの張り紙をするなどした。
冒頭陳述などによると、女性との交際は昨年10月ごろ始まったが、今年1月には別れ話が出た。もともと女性には別の交際相手もおり、「お互いに干渉しない」という約束の交際だったのに、被告が女性の居場所を確かめるようなメールを送ったことから、別れ話が持ち上がった。ストーカー行為はこの直後から始まった。
「自分が納得したかった」「意地になってしまった」。被告は、ストーカー行為をした動機を説明したが、裁判官は納得できなかったようだ。
裁判官「今は被害者のことを何とも思っていないのですか?」
被告「申し訳ないだけです」
裁判官「ずいぶんあっさりした話なんだけど。なんでストーカーをやっていたときは、こんなに盛り上がっていたの?」
被告「話をしたいというのだけに集中してしまって…」
裁判官「女性との関係でこうなっちゃったのは初めて?」
被告「初めてです」
裁判官「今回は何でこうなっちゃったの?」
被告「…」
裁判官は、さらに追及した。
裁判官「女性との付き合いの期間は短いんだよね。分かってないんじゃないの、相手のこと。好きもへったくれもないような気がしないでもないけど。なんで意地になっちゃったのかな?」
被告「別れ話を2人でしたかったので意地になってしまいました」
裁判官「付き合うってほど付き合ってもいないんだよね。『相手がいないと死んじゃう』っていうのはないんじゃないの?」
被告「ないです」
裁判官「にもかかわらず、2人で会うのに何でそんなにこだわったの?」
被告「…」
裁判官「たいして付き合いが深かったとも思えない人と、どうしてこんなことになるの?」
被告「…」
裁判官「この程度のことに何でこだわったのか、自分で厳しく考えた方がいいのでは?」
裁判官の矢継ぎ早の質問は、質問というより“説教”のよう。被告は最終意見陳述で「申し訳なかったと思います」と話すのが精いっぱいだった。
この被告の法定刑の上限は懲役3年6月だが、この事件で上限の刑が言い渡されることは判例上の“量刑相場”から考えにくい。検察官の求刑も懲役1年だった。
ストーカー行為は、被害者の身体に具体的な危害を加える重大犯罪に発展する危険性もある。裁判官は、被告に「なぜストーカー行為をしたのか」を内省させることによって、再犯を防ごうという意図があるように思えた。(半田泰)
今日のネタだが、
確かに諭すという今回のような言動は裁判官としてすばらしいと思う・・・
反面加害者の幼稚な行動にあきれてしまう。
要するにこのオトコ今まで失敗やら挫折とは無縁だったのかね?
勝ち組って意味ではない!
社会の「勝負」から逃げて来たに過ぎない!
苦労や困難や我慢を味わってないから、
自分の思い通りにならない事に身勝手な憤りを覚えているだけ・・・
本当の意味での負け犬でしかない!
まして人間同士の付き合いでは、
到底受け入れられない「いびつ」な人間だったのではなかろうか?
自分が受け入れてもらえない事を、
人のせいにしたり自分の我を押し付けているようでは
人間として負け組みのままだ!
それを分からなければ、いや分かろうと苦悩して努力しなければ
世の中のストーカーも減らないだろう・・・。

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